新型インフルエンザ 今は?

全数報告はとりやめ に

                                                         

 本格的な夏を迎えても、新型インフルエンザの流行は衰える気配をみせず、7月24日の厚労省集計によると、7月1319日の新たな感染者が過去最多の1502人に達し、感染者総数は5031になったとのことです。(6/25 1000人、 7/ 1500人、/ 2000人・・・のペースで増加)

オランダのユトレヒト大・理論疫学部門の西浦博研研究員らの分析では、1人の感染者から何人に感染させるかを意味する「再生産数」は、日本の新型インフルエンザで2.3人(未成年者間では2.8人:6/13 日経)、メキシコ 1.41.6、南半球で1.96と、季節性インフルエンザの1.11.4を上回る推計値となっています。この推計値をもとにした試算では、大流行が終息するまでに人口の78.6%が感染すると予測されるそうです(7/28 読売)。

しかし、確認されていない実際の患者数は、この数倍ではきかないと推計されています。

 

厚労省は24日から、全数報告をやめ、大規模流行につながりかねない集団感染事例の早期発見を中心とした報告へと切り替えることにしました。

具体的には、10人以上の集団で、2人以上の感染が確認されたケースにのみ焦点を当てることにし、診断確定のためのPCR(遺伝子診断)検査も、最初の1例だけに限り、新型と確定されれば国に報告する方針となっています。それ以降は「疑い例」として届けることにし、重症化したケース以外は、季節性インフルエンザとの鑑別などに必要な遺伝子検査をしないことになりました。

 一方アメリカにおいても、米CDC(疾病対策センター)は24日、感染者数が4万3771人で、死者数も302人になったものの、今後は週1回の定期集計を取りやめると発表。遺伝子検査が追いつかず、感染の実態を反映していないとの判断に基づいたものですが、感染者の実態は100万人を大幅に上回っていると見られています(CDCは6月25日、既に100万人という推計値を報告しています) 

一方、海外の新型インフルエンザはというと、冬を迎えたオーストラリアやチリ、アルゼンチンなどの南半球ばかりではなく、夏になれば沈静化するものとの北半球でも、予想を裏切るかのように増え続けています。

WHOの発表では、7月21日には世界の確認死者数が700人を突破、28日までの感染者累計は13万人を超えたことを明らかにしており、感染者の早期発見から重傷者の拡大防止などに監視態勢をシフトするように各国に勧告しています。

このようなWHOの方針変化に伴って今後とも感染者の広がりは避けられそうもなく、毒性の強いウイルスへの変異も含めて警戒が必要と思われます。

 WHOは今のところ渡航制限を推奨してはいませんが、夏の海外旅行期を迎え外務省は、「渡航先の感染情報などに十分な配慮」と注意を呼びかけています