新型ワクチンの接種方針決定

                                 09.10.


 10月1日、政府は新型インフルエンザ対策本部の会合を開き、ワクチン接種の基本方針を決めました(10月2日、各紙)。ワクチンも、輸入品約5000万人分と国内産を合わせ約7700万人分の確保を目指す方針ということです。

 接種費用は、生活保護世帯は無料、そして市町村民税非課税世帯の優先接種対象者も無料となります。

これに該当しない人は、全額自己負担で全国一律の1回3600円、2回目も同じ医療機関で受けた場合は2550円に減額されるものの(合計6150円。1回目接種費用の中には初診料が含まれているため)、1回目と異なる医療機関で打った場合は3600円かかります。

 低所得者への接種は国の全額負担で実施すべしというのが全国知事会の強い要請であるため、これに沿った方針となったようです。

 接種優先対象者は約5400万人で、年度内には全対象者への接種を完了する予定。

優先順は、@医療従事者(10月19日〜)、A妊婦と基礎疾患のある人、B1歳〜小学校低学年(3年生)、C1歳未満の小児らの保護者となっており、Bの小児のうちアレルギー等があって接種できない子の保護者らも新たに接種の対象となり、Cの1歳未満乳児の保護者と併せて来年1月以降に接種される方針です。

このうち@〜Cの約2300万人分については原則的に国産ワクチンを使用、優先順Dの小学校高学年〜中高生65歳以上の高齢者の計約3100万人に対しては輸入ワクチンを使う予定だということです。

 

 朝日新聞は関連記事(9月5日)「新型ワクチン 日本後手」と題し、インフルエンザワクチンの生産と輸入などによる確保において、欧米諸国に遅れを取ってしまったという解説を載せています。

 この記事によれば、米国は英仏など5社からの輸入で年内に2億回分の調達を済ませたのをはじめ、フランスも欧州大手3社から人口の約8割分のワクチンを確保するなど着々と戦略を進めており、生産技術面でも諸外国がバイオ技術を駆使した「細胞培養法」で短期間で大量生産できる仕組みを作り上げているのに対して、わが国では有精卵によるワクチン製造のために生産量に限界があるからと説明しています。

 

 米厚生省は9月11日、1回の接種で8割以上の人に十分な免疫効果が確認されたという臨床試験結果を公表。もしこれが事実なら、ワクチン必要量は2回接種を前提に議論されてきただけに、単純計算でも、国産品で必要量の大半を確保できることになるという朗報となりますが、小児についても同様の免疫効果が得られるかどうかまでは判明していないため1回接種で十分とするのは早計というものでしょう。