新型インフルエンザワクチン 健康成人への接種開始

輸入ワクチンの接種始まる?

新型インフルエンザ 報告数さらに減少

                                                          21..26

新型インフルエンザの定点あたり患者数は、前週(2010年第1週 1.4〜1.0)比11.4%減8.13(推計約48万人) と7週連続で着実に減少しています。

ただ定点あたり報告数をみても、沖縄県49.98を筆頭に、宮崎県16.92、静岡県16.02など14県が未だ流行注意報レベルの10を超えており、16日までの1週間に休校や学年・学級閉鎖を行った学校や幼稚園などはまだ693施設に上るところから、再び流行に火がつく可能性も残されており予断は許されません。

流行がこのまま衰退して春を迎えられるものやら、強毒性への変異、或いは第2波、第3波に見舞われることはないのか、更には、A香港型やAソ連型などの季節性インフルエンザ流行が重なるか等については、誰にも予測できないことです。

 

厚労省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会は、1月15日、輸入新型インフルエンザワクチン2品目−@英グラクソ・スミスクライン(GSK)社の「アレパンリックス」と、Aスイス・ノバルティス社の乳濁細胞培養AH1N1ワクチン「ノバルティス」を特例承認することを答申し、これを受け厚労省は20日付けで承認。出荷は2月初旬の予定で、これまで優先接種の対象外であった健康成人への接種が中旬には開始される見通しとなっています。

この措置で、ワクチンは国産約5400万回分、輸入約9900万回分1126億円)が確保される見通しとなり、全国民に接種するとしてもかなりの余剰が生じる計算となります。

今さら接種なんかという思いの人が少なくないことや、接種回数が1回ですむようになった対象者が増えたこと、さらには接種予定者でも既に感染してしまった人がかなりいる(7月以降の累積推計患者数は既に2千万人超)などから、今後のワクチン必要量はそれほど多くないものと思われます。

昨年のあのワクチン騒ぎは一体なんだったんでしょうという想いは筆者だけではないでしょうが、当時のワクチン需給状況を考えると致し方なかったと言えるかもしれません。これほどの余剰は想定外ということになりそうですが、厚労省には、メーカーとのこの余剰分の解約交渉という難題が待ち構えています。

この輸入ワクチンの初回購入希望は全国で山梨県ただ1県のみとのことで、輸入ワクチンは丸々死蔵という事態になりかねません。しかし、アレパンリックスは、6ヶ月から3歳までの児童に対しては0.25mlの1回接種で十分な免疫が得られるということですから、現在の国産ワクチン(1歳以下は0.1ml 2回接種)では得られない効果が期待できるというメリットを評価すべきかもしれません。

 

今後の問題として、もっと強力な新型インフルエンザの来襲を受けたときに、今回の騒動で学んだ教訓を生かすことが出来るかどうかでしょう。少なくとも、ワクチンの実物もないのに前倒し接種を喧伝するような馬鹿げた方針は採るべきではないと思います。

今回のような混乱に的確に対応するため、厚労省は厚生科学審議会での議論を受けて「予防接種改正案」を今国会に提出する予定とし、新型インフルエンザ等の新たな感染症への対応策として新たな臨時接種の枠組み創設などの改正に乗り出そうとしています。予防接種の新たな枠組みが整備されれば、もっと円滑な接種態勢が出来上がることが期待できるでしょう。