小児用肺炎球菌ワクチン「プレべナー」 が発売されました

ワクチンは発売されたのですが・・・・・

                                              2010..

乳児用の沈降7価「肺炎球菌ワクチン」(プレベナー 水性懸濁皮下注 PCV7)が、2月24日にワイス株式会社から新発売されました。(チリ保健省は09年7月、7価ワクチンを基にプラス6種の血清型を含んだ13価肺炎球菌ワクチン Prevenar 13PCV13)を承認、日本では第U/V相試験が進行中)

肺炎球菌のきょう膜という組織には91タイプの血清型が存在し、このうち強い病原性を持ち髄膜炎や菌血症などを起こしやすい7つの血清型を選んで造られたワクチンだから7価(PCV7)なのです。

200812月に発売された「インフルエンザ菌b型Hib ヒブ)ワクチンの接種も受けるようにすれば、乳幼児の細菌性髄膜炎のうち8〜9割の発症を予防できることが期待されます。

わが国では、毎年約200人の子どもが肺炎球菌髄膜炎にかかり、そのうち約1/3が死亡したり重い神経系後遺症を残しています。一方、Hibによる髄膜炎は年間約600人で、そのうち約25人が死亡、100名前後が発達遅延などの神経学的後遺症を残すとされています。

 

 肺炎球菌は、小児の細菌感染症の原因として最も多い細菌で、鼻やのどの粘膜に定着し、せきやクシャミなどによって周りの人に次々とひろがります。さらに近年には、抗菌剤が効きにくい高度の「薬剤耐性菌」の増加が問題になっており、検出された肺炎球菌の数十%以上がペニシリン耐性と報告されています。

ヒブワクチンとの両者接種により、急性中耳炎をはじめ、赤ちゃんの命にかかわる肺炎、髄膜炎などの重症感染症を予防することができます。

 プレベナー(PCV7)は、生後2ヶ月以上9歳以下の児童が対象となっていますが、できるだけ早い時期(2ヶ月になったらすぐにでも)に接種しておくことが大切で、特に保育園や幼稚園などの集団生活に入る前に接種を済ませておくことが肝心です。

多くの子どもは、入園するとすぐ肺炎球菌やインフルエンザ菌の保菌者化するとともに、抗生剤が効きにくい耐性菌拡大の温床になりやすいのです。

PCV7接種は、接種者だけではなく、PCV7の接種を受けていない子どもの肺炎球菌感染症をも減らす間接的な集団免疫効果があることも分かっています。

 

小児用肺炎球菌ワクチンは現在、世界の約100カ国で接種され、うち45ヶ国(ヒブは130カ国以上)で定期接種化されています。

ヒブワクチンのように供給不足からくる品薄で、接種を希望してもすぐには受けられないということはないのですが、問題は接種費用の高さです。

接種スケジュールで分かるように、生後2〜6ヶ月の乳児は1歳未満までに3回の接種をすませ、60日以上の間隔を空けて4回目の接種を1216ヶ月齢で受けるように薦められています。

接種費用は医療機関によってまちまちですが、1回9000円〜1万円(ヒブは7〜9千円)のところが多いようで、全部で3万数千円〜4万円が必要となります。定期接種に位置づけるか、公費補助で誰にでも接種できるようにすることが強く求められます。

 ヒブワクチンについては、接種費用の助成に踏み切った自治体も増えつつあり、鹿児島市や東京都渋谷区など全国14以上の市区町村に広がっているということです(21年4月15日、日経夕刊)

各地で助成を求める署名活動も進められてはいますが、ワクチン後進国のわが国で定期接種化が日の目を見ることは期待薄かもしれません。

 

肺炎球菌の情報サイトとしては

 http://www.haienkyukin.jp

プレベナーに関しては 

http://www.prevenar.jp

などにアクセスしてみて下さい。