黄砂 かすむ白球

     22.3.30     

標題は3月22日の産経新聞のタイトルです。

気象庁は21日、日本に接近した低気圧による強風に伴い、北海道から九州、沖縄までの全国各地で黄砂が観測され、視界が2〜5`、とくに奈良市では1.5`にまで低下したと発表。同日に開幕した選抜高校野球大会では、黄砂の舞う中を選手たちが入場行進したと報じています。

気象庁の統計では、09年に黄砂が観測された日数は22日で00年以降増加傾向にあり、最多は02年の47日、月別の観測日数の平年値は4月が7.4日で最も多いということです(3月24日、毎日新聞)

 

黄砂に関しては、09年3月26日のトピックにも「霞(かすみ)か雲か」 という題で紹介しました。

その内容のポイントは、「黄砂の増加傾向」と、その背景に中国における「急速な経済発展と人口都市集中」があること、ヤギの放牧増加などに伴う草原の砂漠化が絡んでいることでした。

問題は、黄砂によって視界が悪くなったり車が真っ白になるだけならまだしも、黄砂に付着して飛来してくるエーロゾル(浮遊粉じん)に含まれる工場のばい煙や自動車排ガス中の窒素酸化物、硫黄酸化物などによる健康被害や酸性雨が懸念されることです。

事実、空がかすんで見通しの悪い日などには喘息児が多いように思われますし、黄砂は喘息や花粉症に影響しませんかという質問もよく受けます。

黄砂に付着した微生物やカビの死骸、環境汚染物質などが関係しているのではないかと考えられています。

 

3月13日付の産経新聞は、黄砂に含まれる硫黄酸化物の割合が、18年は1%未満であったのに19年からは約3%と増加、20年は約7%と特に高くなったという近畿大学の研究結果とともに、黄砂の通過ルートの解析から「中国の工業地帯からの影響を強く受けている可能性が高い」という見方も紹介しています。この記事には、年間100400万dの砂が日本に飛来しているという国立環境研究所の調査結果も示されています。

気象庁は平成16年から「黄砂予報」をスタートさせていますが、環境省地球環境保全対策課でも「環境省黄砂飛来情報(ライダー黄砂観測データ LIDARLight Detection And Ranging)」を開設し、目で見ただけでは判らない黄砂と黄砂以外の粒子状物質(大気汚染物質など)を区別し、リアルタイムで観測するシステムの速報値から得られる地上付近の黄砂濃度の推計値を公開しています。

KOUSA01@env.go.jp

LIDARのデータ等著作権は、環境庁、ライダー設置各機関、国立環境研究所に帰属)

砂漠化の進行が速すぎて黄砂飛来に抑えが効かないため、黄砂が予想される日には外出を控えるか、マスクゴーグルなどの着用、帰宅時のうがいくらいしか打つ手はなさそうです。しかし、北京オリンピックの開会式の際には、人工降雨専門家チームの気象操作プロジェクトが降水量をコントロールしたという話題はまだ記憶に新しいところですが、黄砂対策にも中国の英知が結集されることを祈るばかりです。

 黄砂情報については

気象庁      http://www.jma.go.jp/jp/kosa/   (上空1`までの黄砂濃度の予測図)

環境省&気象庁 http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/kosateikyou/kosa.html

                                    (黄砂情報提供ホームページ)