3D(3次元)テレビ登場! 果たして・・・

10.4.13    
   

 SFアドベンチャー映画「アバター」が先鞭をつけた3Dの人気ですが、国内家電メーカー各社は、映像が立体的に見える3D(3次元)対応テレビの販売にしのぎを削っています。

パナソニックは4月下旬、ソニーは6月に3Dテレビを売り出す予定で、薄型テレビ市場で世界最大シェアを誇る韓国のサムスンもこれに追随して販売競争は激化、いよいよ本格的な3D時代の幕開けです。

13年には、世界の薄型テレビ市場の約32%、1560万台が3Dテレビになるという強気の見通しもあるくらいです。

医療分野でも、国立成育医療センターが、東京大学、アロカとの共同研究チームで、体内の臓器や胎児の様子を3D映像としてリアルタイムで表示し、裸眼で見られるシステムの開発に成功、数年内に実用化する見通しとのことです(3月1日、日経)。解像度向上などの課題がクリアされれば、胎児外科などの分野で安全かつ正確な手術が可能になるものと期待されています。

 

このように紹介すれば3Dは順風満帆と言えそうですが、子どもの世界では色々な難問が残されているようです。

パソコンやテレビゲームなどの長時間利用によって起きるIT眼症」は、ドライアイ眼精疲労を引き起こし、疲れ目、目や頭の痛み、目の乾燥感、視力の低下などの症状をきたしやすいと言われています。

特に長時間のテレビ視聴や、画面に直射日光が当たるような環境での携帯ゲームの使用は症状を悪化させる懸念があり、文部科学省の学校保健統計調査も子どもの視力低下に警鐘を鳴らしています。

裸眼視力が0.3未満の子どもの割合は、平成20年度には過去最多となり、文科省は「パソコンやゲーム機の長時間使用が一因ではないか」と推測しています。

調査結果によると、裸眼視力0.3未満の子どもの割合は、幼稚園0.6120年度の0.78(過去最高、19年度は0.51%)よりやや改善したものの、小学校は7.27%(20年度7.05%、19年度6.49%)、中学生21.97%(20年度22.42%、19年度20.34%)と芳しくない結果が発表されています。3D時代の到来で、このような傾向はさらに加速するのではないかと危惧されます。

 

イタリア保健省の諮問機関は、目に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、「6歳未満の幼児が3D映像を使った映画を見ることを避けるよう」勧告したとのことです(3月16日、日経夕刊)。

この勧告は、専用眼鏡を通して映像を長時間見ると、目の機能に一時的障害を起こす恐れがあり、特に目の発達が十分でない幼児はこうした懸念が強いと判断したという内容です。

 

日本の経産省も同様の懸念から、国と業界が協力して初の安全指針案をまとめました(4月10日、朝日新聞)。同紙によると、経産省ではこれをもとに検討委を設けて議論し、年度内にもISO(国際標準化機構)に提案する予定で、3D普及に向けた国際規格作りを目指しています。

また指針では、立体視の脳機能が未熟な「5歳以下の子どもの視聴には気をつける」ことなどを推奨するとともに、顔を傾けて両目の高さがずれると二重に見えてしまうこともあるので、ソファに横たわっての視聴は避けるべきとも提言しています。

先ずは慎重に!