長引く咳が問題になっています

百日咳 かも   

 2010..13

                                                              

  数週間も咳が続き、お医者さんから薬を処方されているのに、一向に良くならないという大人の人が増えているそうです。

子どもの長引くセキならば、気管支喘息や咳喘息、咳チック、副鼻腔炎などを疑いますが、大人の場合は事情がやや異なるようです。

成人の長引く咳は、慢性閉塞性肺疾患(COPDや、喘息、結核、肺がんなどが先ず疑われます。

COPDは「肺の生活習慣病」ともいわれ、以前は「慢性気管支炎」と「肺気腫」に分けられていたもので、喫煙などが主な原因になります。わが国の有病者数は約500万人とも推定されていますが、大半の患者さんは見逃されていると考えられています。その理由として進行が緩徐で本人も症状に気づきにくく、医師側も見逃していることが多いからではないかと説明されています。

日本呼吸器学会では、COPDの存在を知ってもらおうと、2007年に、5月9日を「呼吸の日」と定めました。

 

 咳はカゼや気管支炎など様々な原因で起こりますが、最近問題になっているのは、大人の長引くセキの中には「百日ぜき」が少なくないということで、新聞でも取り上げられる機会が少なくありません。

 百日咳の子どもを見慣れた小児科医なら、百日咳独特の発作性のセキや、息を吸い込む時に発するヒューという独特の笛声音、咳き込んだ後の嘔吐などの症状から比較的簡単に診断がつくものです。

三種混合ワクチンDPT接種の徹底により、子どもの百日咳に出会う機会はうんと減りましたが、逆に大人の百日咳は増えてきたということです。

大人では、先に述べたような百日咳独特の臨床症状がそろって出現することは珍しく、ただ長引く遷延性のセキだけということが少なくないために、ともすれば診断が後手に回るということになりかねません。症状が出始めて2、3週間は人にうつしやすいところから、大人から乳幼児に感染というケースも少なくないようです。

 

国立感染症研究所 のデータによると、00年に20歳以上の患者が占める割合は2.2%だったものが、08年は36.7%、09年は38.2%まで増え、今や10歳代から成人層を中心に流行しているといっても過言ではありません。ちなみに、2008年の総報告数6749人のうち44%は9歳以下であったということです。

10年も報告数が急増しており、第24週(6月14〜20日)は、過去10年間で最多だった08年のピーク時の1定点あたり0.11人に次ぐ0.09人と肉薄。子どもは肺炎や脳症など重い合併症を併発することがあり、時に死亡例(過去10年間で5人)もあるので、DPTワクチン接種は必須であると報じられています(7月5日、産経新聞)。

2010年度も成人が過半数を占めるようになっていますが、その背景には、成人の百日咳が増えているとの認識が高まって百日咳の検査が広く行われるようになったことや、子どもの時に接種したワクチンの効果が大人になった時まで持続しない可能性があるとも指摘されています。

赤ちゃんは出生後の早い段階でも感染する可能性があるため、3カ月を過ぎればできるだけ早くDPTワクチンの接種を受けることが勧められるでしょう。

さらに、大人の、そして大人から乳幼児への感染を防ぐために成人への再接種が必要と考えられ、わが国でも検討が進められています。米国では06年から1113歳児への追加接種を推奨しており、その他、オーストラリア、ドイツをはじめ諸外国でも追加接種のプログラムが進められているそうです。

 

                        出典:国立感染症研究所感染所情報センターホームページより