卵とサルモネラ菌汚染

米、卵回収5.5億個に (8月25日、産経新聞報道)

                                                             2010..31

 8月25日の産経新聞は、米国で前代未聞の卵パニックが広がっており、アイオワ州の業者が約5億5千万個の卵の自主回収に乗り出したと伝えています。

 記事によると、CDC(米国疾病対策センター)は5月1日以降、サルモネラ菌が原因とみられる食中毒患者が約2千人に上るとの見解を表明、FDA(米食品医薬品局)も調査に乗り出して、半熟卵も避けて完全調理をするように消費者に呼びかけているとのことです。

 

 オバマ政権が「食の安全」向上へ規制の強化に着手した矢先のことです。FDAのルールを改定して大規模業者に安全管理の向上やサルモネラ菌のテスト実施を義務づけるとともに、「食品安全近代化法案」を可決した上で、FDAに生産施設への検査など広範な権限を与える政策を進めつつあるという状況が紹介されています。

 

わが国でも、口蹄疫だ、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)だと畜産に関する問題が続出し、食品の安全に黄信号が点り続けている感があります。

卵がサルモネラ菌に汚染されている場合があることは、以前にも紹介したことがあります。

卵は消費者物価指数でみても、1955年と45年後の2000年を比べても1.35倍にしかなっていない物価の優等生で、生活に無くてはならない食品といえます。

サルモネラ食中毒は、1991年までトップをしめていた腸炎ビブリオを抜いてからは増加の一途ですが、約2000種あるサルモネラ菌のうちでもサルモネラ・エンテリィティディス(SE)によるものが全体の92%と圧倒的に多いといわれています。

厚労省の調査では、サルモネラ菌による食中毒のうち、卵が原因となる人が約15%と最も多いそうです。

卵1万個くらいに1つの割合でサルモネラ菌が見つかることがあり、賞味期限内の新鮮な卵を、できるだけ早めに食べることが大切だと言われています。

ただ、国立医薬品食品衛生研究所など7機関が数年前に行った共同研究によれば、@出荷後7℃以下の低温管理を続ける、A室温管理で7日以内に販売、B室温管理で14日以内に販売の3通りの対策を講じた場合について、生卵による食中毒患者数が減少するかどうか分析した結果は、危険性はほとんど変わらないという結論だったそうです。

サルモネラ菌汚染対策にはワクチンが有効で、親鳥の生後84日目から卵を産む前までに接種すると菌の付着を防ぐことができますが、SE菌は熱に弱いので生のままで食べないようにすることが先ず大切でしょう。