もし吐くようなことがあれば

ノロウイルス感染 大流行

                                                      2010.12.14

  :嘔吐や下痢を繰り返す「感染性胃腸炎」が全国的に流行しています。

大阪の感染症発生動向調査でも、4週間連続して対前週比5630%増の報告数で、第48週(1129日〜12月5日)の総報告数は3,262例、一定点あたり16.9人となっており、流行規模の大きさがうかがえます。

原因の多くはノロウイルスを中心とするウイルスによるものですが、メディアも伝えているとおり発症者数は昨年の2〜10倍にも及び、各地の保育所や幼稚園で欠席者が目立ってきています。

このままだと過去最高値を記録した2006年の大流行に匹敵する流行になりそうな勢いです。前年の2005年には広島県の特別養護老人ホームでの集団発症をはじめ、各地の高齢者施設での集団感染や死亡者が相次ぎ、広島ではカキ養殖業者が風評被害で多大の損害をこうむる事態になったことも記憶に新しいことです。

ノロウイルス1968年に米国オハイオ州で起きた集団胃腸炎の患者から分離された直径37ナノb(ナノは10億分の1)の小型球形構造をしており、2つの遺伝子型に大別され、さらに多数のgenotypeに分類されています。2002年の国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。

感染力が強く10個のウイルス粒子でも感染するもののヒトだけに感染し発病すると考えられていますが、特効薬やワクチンがなく対症療法しかないという難点があります。

ノロウイルスは二枚貝にも存在することから、毎冬、生ガキなどによる食中毒も散発的には起こっているものの、最近はヒト−ヒト感染が主で、便、吐物、飲食物などを介してヒトからヒトへと感染し、症状が治まっても便の中にウイルスを排出し続けるケースもあると言われています。

さらに厄介なのは「塵埃感染」といって、乾いた吐物からウイルスが飛散することによる「空気感染」で集団感染が起こりうることです。

健康な成人では症状はすぐに収まるものの、免疫機能の低下した高齢者や乳幼児では重症化する傾向にあり、子どもの場合には脱水症状に注意が必要です。