鳥インフルエンザ感染拡大

                                                        2011..27

 高病原性のH5型鳥インフルエンザ感染は、昨年11月に島根県安来市、12月に富山県高岡市、年末から年始にかけては鹿児島県出水市へと拡大、1月22日には宮崎県の養鶏場で明らかに、同日、北海道道東の浜中町ではオオハクチョウから強毒性のH5N1型のウイルスが検出されています。

さらに26日には愛知県豊橋市の採卵鶏農場で擬似例の発生が認められるなど拡大の一途です。韓国でも昨年末に養鶏場の鶏の大量死が発生し10万羽以上の鶏が殺処分されたということです。

これらの事実をみても、強毒性の鳥インフルエンザウイルスが日本だけではなくアジア全土に広く拡散しているものと推察されます。

 どの発生地でも感染ルートがはっきりしないためなおさら不安が募りますが、昨年は、シベリアで夏場を過ごした野鳥にH5N1型ウイルスの感染が広がった可能性が高く、稚内市では昨年10月段階で既に渡り鳥の糞からH5N1型が検出されていました。

 

 日本に運び込まれるウイルスは、従来、シベリアから中国へ飛来する渡り鳥が鶏などに感染を拡大し、それを介して日本に持ち込まれるというルートが一般的だったようですが、今回報告されているウイルス感染は、中国の流行地を経ずにシベリアから直接国内に入る新たなルートでもたらされた疑いが濃くなっています。

それだけシベリアでの感染が広がっている証拠と考えられますが、国内では飛び火にような感染拡大だけではなく、次々にやってくる渡り鳥が各地に感染を広げるという懸念が捨てきれません。

 インフルエンザ感染は種の壁が異種動物への感染を防いでくれています。事実1997年からヒトの間にも広がっているH5N1型ウイルスも、WHOの発表では世界各地で計512人の感染例が報告され、うち304人が死亡と発表されていますが、幸なことに簡単にはヒトの間に大流行をしていないという事実がそれを裏付けています。

 簡単には種の壁を越えないとはいえ、日本全国での鳥インフルエンザの拡大期に、ヒトの新型インフルエンザH1N1流行が重なると、両ウイルスの遺伝子の交雑によって遺伝子再集合が起こると、更なる新型が出現という懸念もあるところから、今後の流行情況から目を離せない状態が続くものと思われます。