ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン 接種見合わせ

                                                            2011..15

 以前からお伝えしている ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種後死亡事例の頻発を受け、厚労省は3月4日、両ワクチンの接種見合わせを全国に通知しました。

 8日には、予防接種後副反応検討会と薬食審安全対策調査会の合同会議が開催され、『現段階の情報では死亡例とワクチンとの因果関係は認められない』という結論が示されました。灰色決着といえばそれまでですが、より多くの情報を収集し、更なる検討を重ねた処で、白か黒か因果関係を証明することは至難の業と言えそうです。

海外での類似症例においても、SIDS(乳幼児突然死症候群)として扱われているケースも少なくないようですが、SIDS自体の病態が十分には解明されていないだけに何か割り切れないものが残ります。

同時接種を受けた6例の死亡例のうち、3例は先天性心疾患などの基礎疾患をもっていましたが、基礎疾患との関連性についても結論に至るものではなかったようです。

日本小児科学会も表明している通り、「同時接種の効果と安全性」は担保されており、海外では同時接種がグローバルスタンダードとなっているだけに、同時接種の安全性については更に突っ込んだ検討が求められるでしょう。

ワクチンによっては免疫増強剤(アジュバント)として燐酸アルミニウムなどが添加されていますが、同時接種をすればアジュバントが重複することによって免疫機構に何らかの異変が起こらないかどうか、また、サイトカインと呼ばれる免疫物質のかく乱などが起こったりはしないのか等についても検証すべき点が少なくないように思われます。

日本脳炎ワクチンでは、平成17年にADEM(急性散在性脳脊髄膜炎)という重い副作用報告を受けて「接種を積極的に勧奨しない」状態が4年間も続いたこともあって、「一時的にでも接種を中止している影響は大きい」として、早期の再開を求める声も少なくないのも事実です。2週間後くらいに方針が示されるという展望もないわけではないようですが、接種医や、受ける側の親の不安は容易に解消されるものでもなく、国や厚労省の検討会などの確たる見解が表明されない限り簡単にはゴーサインは出して欲しくはないというのが本音でしょう。