ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン 再び解禁

                                                      2011..29

  3月8日の厚労省会議で一時見合わせとなったヒブワクチン及び肺炎球菌ワクチンについて、3月24日の医薬品等安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種副反応検討会の合同会議の評価の結果、「7例の死亡例については、現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられる」 として、4月1日からの接種に向けて、事実上のゴーサインが出されました。

評価の根拠として、「諸外国における接種後死亡例の検討においても、死因は感染症や乳幼児突然死症候群が原因の大半を占めており、いずれもワクチンとの因果関係が明確でないことや、国内の死亡報告頻度が対10万接種当たり0.10.2程度で諸外国での頻度と大差がない」 ことから、国内でのワクチン接種の安全性に特段の問題があるとは考えにくいという点が挙げられています。

ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種についても、同時接種と各ワクチン単独接種の副反応発言率に有意差はないとする一部の知見や、同時接種における副反応の発現率がやや高いとする報告にしても、重篤な副反応の増加は認められず、特に安全性上の懸念は認められないとするデータが示されています。

会議の結論は以上のようなものですが、「『ワクチン接種との直接的な因果関係』とはどのように証明されるのか」といった点に関する方法論を欠くことや、ワクチンの精製度や添加されているキャリア蛋白、免疫増強剤のアジュバントの質の評価は輸入品だけにブラックボックスとなっていることなど、灰色決着であることは否定のしようがありません。

合同会議の方針としては、今後もワクチン接種後数日以内の死亡例の報告の存在を想定した上で、報告例については専門家による評価を速やかに行うと共に、「対10万接種当たり死亡報告数が、因果関係の有無に関わらず0.5を超えた場合に、専門化による調査会等の評価を行い、対応を速やかに検討すること」 が提起されています。

医師の側も、接種積極派と慎重派に分かれているようです。

予防接種は、その接種率を95%以上に高めて集団防衛が保証されれば、多くの感染症は流行が防止されるばかりか、病気そのものが根絶されるという究極の目的に近づけることが可能になります。予防接種により国民全体の免疫水準を維持することがわが子の健康を維持するために不可欠なばかりではなく、社会全体の予防に役立つ、その目的のためには進んで予防接種を受けるというコンセンサスを高める必要があります。

国民の間にこういった認識が十分ではない社会状況において、接種後に不幸な結末を迎えた親が不承不承でも納得できるのかといった説得力や、予防接種には紛れ込み例(接種とは直接関係がないにもかかわらず偶発的に発生する重篤事例)が避けられない点、先にも触れたように、予防接種は社会防衛上不可欠な行為であり不幸な事例は社会で支えるようにして納得すべきといった認識を社会的に共有することが可能かどうか、わが国における接種環境はあくまでも複雑であると言わねばならないでしょう。

いずれにしても、月末に再度開催予定の会議の結論が注目されることになりそうです。