ツメは口ほどに・・・

手足口病が治った後でツメがはがれました

                                                                           2011..12

 手足口病の流行はさらに加速して猛威を奮っています。

 今季の手足口病の姿が例年と違うことは先週にも報告しましたが、ブツブツが消えてから数週間後に、手や足の指先の皮がめくれたり、ツメがはがれるという例が目立つようになりました。ツメは最初に亀裂が入って二枚ヅメのようになるか、二枚重ねの瓦のような様相を呈することが少なくないようです。

  流行中の手足口病は、コクサッキーAというウイルスが主役を演じていることが分かっています。

手足口病に伴うツメの変化に言及した最初の論文は、2009年の夏に愛媛県松山市周辺での手足口病の流行後に見られた「爪変形、爪脱落の集団発生例」に関するもののようですが(日本皮膚科学会雑誌、2011年5月号)、それ以前にもツメの変形や脱落をきたす報告が見られます。ということは、大流行になったのは今年が初めてにしろ、数年前からこのA6による流行が進行していたということになるでしょう。

今季の手足口病が往々にして「水痘(みずぼうそう)」と誤診される例があることや、発疹後の手足の指先の落屑(皮が剥がれてむけること)から「溶連菌感染症」と混同される例が少なくないことも分かってきています。

ツメは、指の腹に力が入れられるように「ふた」の役割をしており、手のツメがなければ物をつかみにくくなります。

「ツメは健康のバロメーター」といわれるように、変形したツメは病気のサインであることがしばしばです。

 貧血があればツメが薄くはがれたり、肺の病気では指先が太鼓のばちのように膨れて丸みをおびる「ばち指」を呈することがあるというように、ツメの変化がある種の病気を暗示するきっかけにすらなります。

 恥ずかしいことですが、筆者の診療所でも、ツメの変形やはがれたという訴えで来院され、カルテを読み返すと2ヵ月前に手足口病と思われる症状が認められた例がありました。十分な知識がなかったばっかりに的確な診断がつけられていなかったのです。

 手足口病の後でツメが剥がれてきた場合は自然に任せるしかないようですが、手足口病の時に限らずツメのケアとして大切な点として次のようなことに注意して下さい。

  @ ツメを短く切りすぎると(深爪)、指先が荒れやすく変形の原因になりかねません
ツメの先の白い部分を2mmほど残して先端を四角くする

  A切れの悪い爪切りで切ったままにしておくとツメ先に細かいひびが残って二枚ツメになりやすい    ので、爪きりを使った痕をやすりでならすようにする

  B 常日頃からツメの色や形に気を配り、巻きヅメ(ツメが極端に湾曲した状態)や陥入爪(ツメの    先が肉に突き刺さった状態)と思われる時は専門医の診察をあおぐようにする



大阪府立公衆衛生研究所ホームページ 「手足口病 警報レベル超える」