マイコプラズマ肺炎 大流行 ?

                                                              2011.11.29

  マイコプラズマ感染症の流行がテレビや新聞で報じられています。天皇も罹患されて入院というニュースが余計に国民の関心を呼んでいるようです。

 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエ Mycoplasma pneumoniae という細菌とウイルスの中間に位置する病原体で引き起こされるものですが、テレビなどで仔細に解説されているので今や国民総マイコプラズマ専門家の観さえ呈してきました。

 かって流行の周期は4年に一度、しかもオリンピック開催年に流行を繰り返してきたため「オリンピック病」とも呼ばれてきましたが、今や周期性は崩れて不定期の地域

流行が主流となっています。

 全国的には、マイコプラズマ肺炎の流行は秋から報告数が増え始めて早春まで続くという傾向にあります。大阪では平成21年は年の前半後半で差はなかったものの、平成22年は第27週以降の半年が65%を占め、これが本年の流行の前哨となっている可能性があるようです。

 1歳の誕生日までに4割の乳児が、そして5歳までに7割近い乳幼児が感染を受けるといわれていますが、肺炎まで進行するのは小児や若い成人が中心で、1歳以下には比較的少ないとされています。

22年の大阪での年齢分布は1歳〜4歳にピークがあり、以前に比べて1歳〜2歳に多い傾向が見られたと報告されています。

多くの解説が、7歳から8歳に病原体分離のピークがあり、不顕性感染の存在や軽症例の多さを紹介している点と比べてややズレがみられるようです。

潜伏期は通常2〜3週間、発熱で発症し頑固で長引く咳が特徴的で、早朝や夜間に強まる傾向が見られます。肺炎を併発しても経過は一般に良好とされますが、中耳炎、脳炎や髄膜炎、肝炎、心筋炎、多発神経炎などの合併症も散見され、経過が長引いたり、こじれた様子が見られる場合は注意が必要とされています。

多くの呼吸器感染症で処方されることの多いペニシリンやセフェムなどβ-ラクタム系の細胞壁合成阻害抗菌剤は細胞壁を持たないマイコプラズマには感受性がないため、これらの抗生物質による治療を続けていても頑固な咳が長引く場合にはマイコプラズマ感染症を疑ってみる必要がありそうです。

本症が疑われて、マイコプラズマに有効とされるマクロライド系抗生物質テトラサイクリン系抗生物質が用いられている場合でも、改善が見られないからといって本症を否定することは無理なようです。というのは、以前は約15%といわれた「耐性菌」が今年になって90まで増加しているという報告さえあるからです。