ポリオ新ワクチンに

9月1日から不活化ワクチンに切り替え

                                                                                    2012.9.4  

ポリオワクチンが9月1日を期して、従来の生ワクチン(OPV)から、より安全性の高い「不活化ワクチン」(IPVに一斉に切り替わりました。

11月からは、不活化ポリオワクチンにDPT(三種混合ワクチン)を一緒にした国産の「4種混合ワクチン」が登場しますが、それまではフランスのサノフィパスツール社の不活化ポリオワクチン IMOVAX POLIO一種のみということになります。         

このワクチンへの切り替えを待ち望んでいた保護者の間に接種差し控えが拡大し、今回の導入によって接種を求めて殺到したためにワクチンが品薄となり、すぐには接種してもらえない子どもが続出するなど医療現場に混乱が生じているようです。

 

自治体や医療機関への納入価格を巡って厚労省との間でひと悶着があり、テレビで取り上げられたりもして話題に事欠かないワクチンとなりました。

生ワクチン1回分は300円程度だそうですが、SANOFIの不活化ワクチンは納入原価5450円と割高で、11月に日本の2社から発売予定の4種混合ワクチンになると65006600円となりそうです。

接種費用も含めると、初回接種3回、追加接種1回の4回接種でおよそ3万4千円ばかりになります。多くの自治体は無料接種を進めているものの、財政事情が芳しくない市町村では一部自己負担があるために、接種率の低下が懸念されています。

ポリオ単独不活化ワクチンはあと2、3年の命でその後は需要がなくなるため、設備投資をしてもその費用の回収が難しく、日本規格の品質に合わせるには、手間もかかってコスト吸収もしにくいため割高になるというのがメーカーの言い分です。

確かに4種混合ワクチンが登場すれば、ポリオ単独ワクチンの使用頻度はぐっと下がるものと予想されますが、設備投資といってもたかが知れており、フランス製の既成ワクチンに塵埃などの不純物が混入してないかどうかの目視検査を加えたくらいの手間にしたら高すぎるというのが実感です。

 

イモパックスポリオは、1982年にフランスで承認され、現在86ヵ国で承認されているワクチンで、世界で2.7億接種分以上が販売されているという実績と、注射部位の主張や紅斑以外はさしたる副作用は見られないというのがメーカーのうりです。

ポリオ(急性灰白髄炎)は、一般的に「小児マヒ」とも呼ばれていますが、発症するとマヒが起こり、呼吸筋が侵されると死亡する可能性もある危険な感染症で、ワクチンによる予防が重要です。

わが国では1960年代から経口ワクチンが導入され、1981WHOによる日本におけるポリオ根絶宣言以降は野生株によるポリオの報告はなく、わが国で本年まで広く使用されていた経口生ワクチンによる副作用の「ワクチン関連マヒ(VAPP)」が、100400万接種あたり1人の割合(2010年度までの10年間で15人)で発症するために、今回導入された不活化ポリオワクチンへの切り替えが求められていたのです。