風疹 大人の男性に大流行

妊婦に接触機会のある人や家族は予防接種を

2013.4.2

 風疹の大流行に歯止めがかからないようです。

昨年後半に始まった風疹の流行は首都圏を中心に拡大一途で、患者の数は首都圏で1,000人を超え、厚生労働省への報告数は3月20日現在で1,656人、昨年同期の20倍以上となっています。

今回の流行の中心は子どもではなく2040歳代の男性で、総報告数の約7割を占めています。

女子中学生を対象にした定期予防接種が1977に始められたのですが、その接種率は70%にすぎず、しかも男子はこの制度から除外されていたために,この間の未接種者に感染が増えているものと考えられています。その後、1994年に予防接種法が改正されて1290ヶ月の男女小児への個別接種が採用されましたが、1961年度以前に生まれた女性もワクチンによる免疫獲得の対象とはなっていないことになります。

妊娠初期の妊婦が風疹に感染すると、胎児に心疾患(動脈管開存肺動脈狭窄など)、難聴、白内障などの重症の先天異常をきたす「先天性風疹症候群(CRS)」になることがあるので注意が必要です。

今回の流行でも数例(6?)のCRSが報告されていますが、本症候群の発生頻度は、妊娠1ヵ月での感染で約50%、2ヵ月では35%、3ケ月では18%というように妊婦の感染時期が早期ほど起こりやすく、妊娠5ヵ月でも発生する可能性を残しています。

このような事情から、妊娠の可能性を残す女性は風しん予防接種を受けて免疫をつけておくことが大切ですが、胎児に異常が出たという実例はないものの既に妊娠している女性に対する接種は禁忌とされています。また、ワクチン接種を受けた女性は最低2ヶ月は避妊する必要があります。

 風しんは、患者のセキやくしゃみを介して風しんウイルスの感染で起こる疾患ですが、春から初夏に流行しやすい傾向(昨年は6月〜10月でピークは8月)がみられます。

かかっても熱発する人は凡そ半数で、淡紅色のハシカ様の発疹、頚部や耳介後部の圧痛を有するリンパ節腫脹を主徴とする疾患です。発疹は3日前後で消退するところから「三日ばしか」とも呼ばれていますが、HHV6(7)感染が原因で起こる俗に3日熱とも呼ばれる「突発性発疹」と誤解されることがあったり、発疹性疾患が風しんと誤診される例も少なくないようです。

 熱が余りでないケースが多いことや、発疹も非特異的なことから本症と誤診される例や見逃し例も少なくないことから、過去に風しんに罹ったことがあるという記憶は信用しない方がよいとされています。さらには、感染しているのに症状がでない「不顕性感染」25%くらい存在するところから、過去の罹患歴やワクチン歴の有無を含め、妊婦への対応は慎重を期する必要性が高いと言えましょう。

 風しんの流行拡大を危惧する厚労省は、1月と2月に妊婦の配偶者に対してワクチン接種を呼びかけたのですが、ワクチン不足や、高い接種費用(およそ1万円)がネックとなって期待どおりの接種率は上げられていないのが現状です。