花粉症 終焉はもうすぐ?

気になるPM2.5 の影響

2014.3.25

 桜のつぼみも日に日に膨らんで、スギ花粉症のシーズンもやっと終わりに近づいた気配です。

 近年、アトピー性皮膚炎や喘息などアレルギー疾患が小児を中心に増加傾向にあり、昔は少ないと言われた子供の花粉症も最近では珍しい病気ではなくなってきています。

 黄砂の飛来量が増える日にアレルギー症状が悪化するという事実は10数年前から注目されてきた事実ですが、黄砂に含まれる二酸化ケイ素、付着した細菌などの微生物やカビの死骸、環境汚染物質などが関係しているのではないかと見られています。

 乳幼児や呼吸器に病気を持つ人、高齢者は中国から飛来する微小粒子状物質(PM2.5の影響を受けやすいと考えられており、環境省では、大気中の濃度が1日平均で環境基準値 (1日平均のPM2.5濃度が1立法b当たり35?c) の2倍を超えると予測される場合には、外出や屋内の換気を控えるよう呼びかける暫定指針をまとめました(2013..27)。

 PM2.5の健康影響については、海外の疫学調査でも大気中濃度が上昇すると健康への悪影響が増大することが知られています。

 WHO(世界保健機関)の専門機関「国際がん研究機関」は昨年10月、「肺がんを引き起こす十分な証拠がある」としてPM2.5など大気汚染物質による発ガンリスクを5段階の危険度のうち最高レベルに分類したと発表。

 また、黄砂の濃度の高い日は、病気による救急搬送の数が増えるとの研究結果も分かっており(国立環境研究所、3月12日、各紙夕刊)、「黄砂とともに飛んでくる大気汚染物質が影響している可能性がある」と考えられているようです。

 さらに、環境省の中央環境審議会専門委員会は、3月12日に初会合を開き、「PM2.5」の国内発生抑制策や、中国からの飛来状況を把握する方法等について検討を進めることにしました。

PM2.5は、中国からの「越境汚染」のみならず、自動車や火力発電所などから排出される国内発生分が重なって国内の濃度が上昇するとみられており、その割合や、発生の詳しいメカニズムをも検証するということです(同)。

アレルギー疾患増加は、年々増加傾向にある大気中のDEP (ディーゼル排気微粒子)が関係しているのではないかと考えられており、DFPの気道暴露が気管支喘息の中核をなす好酸球性気道炎症や気道の反応性亢進などを増悪させるからではないかとも推論されています。

 花粉症は今や国民病といわれるくらいで、国民の16が罹患しているというデータもあるくらいです。子供の35.6%に花粉症が見られ増加傾向にあるという調査結果については2012年4月10日の本HP 「子どもの35%に花粉症」で紹介していますからご覧下さい。

花粉症の7割はスギ花粉が原因と言われており、数ミリくらいの黄色の雄花の中に詰まっている平均40万個もの花粉が、時には数百万キロも飛散してわれわれを苦しめることになります。

  雄花の芽は夏にできるので、7月、8月の気温が高く日照時間が長い時は、翌春の花粉も多いことになります。このように前年の夏の天候に大きく左右されるため、シーズン前に飛散量が予測可能となるのですが、近年は異常気象が多く、気象条件と花粉量との相関関係は曖昧になって予測が立てにくくなっているようです。花粉飛散量は落下花粉量の定点観測から割り出され、1平方aあたりに落下する花粉数が50個以上になると「非常に多い」となります。

 花粉症対策は色々提案されてはいますが決定的なものはなく、外出時のマスクとゴーグル、花粉の付着しにくい衣服の着用、静電気で花粉が衣服に付くのを防ぐスプレー、鼻孔に詰めて使うスポンジ状のフィルター(ノーズマスクピット)、抗ヒスタミン剤やケミカルメディエイター(化学伝達物質)抑制剤、時にはステロイドなどの薬の使用がすすめられています。

 その中で最近注目を浴びているのが、「減感作療法」や新しい発想の「ワクチン」です。

「減感作療法」も従来の注射ではなく、「口に薬液を含む」タイプの「シダトレンスギ花粉舌下液」と呼ばれるもので、4月に保険適用され、6月から医師の処方薬として販売される予定となっていますが、処方・使用は「適正使用に関する講習を受講した医師が、緊急時対応可能な医療機関で行う」ことという厚労省の但し書きが付いているため、どこでも処方が受けられるという利便性は期待できないようです。

 この「舌下免疫療法」はその作用機序が十分に解明されているとは言えず、医師の処方と指導のもとに進める必要があります。

アレルギー反応を引き起こすスギ花粉のエキスを舌の下に直接垂らし、徐々に体を慣らして花粉に対する過敏性を減弱させようというもので、少量から開始し、徐々に増量して維持量に達してから2〜3年以上も投与を継続するという根気の要る治療となりますが、注射と違い頻繁な通院を必要としない簡便性は評価してよいでしょう。