日光浴の是非

母乳栄養によるクル病 VS 紫外線の害

2014.5.13

 

 1998年に母子手帳から日光浴を勧める項目が削除されました。一生のうちに浴びる全紫外線量のうちの大半は子どもの時期に浴びるといわれ、子どもにとって、紫外線対策が不可欠なものとなってきたからです。

米国では、紫外線による皮膚障害の8割は18歳までに受けると考えられてもいます。2002年の夏WHO(世界保健機関)は、皮膚がんの発生リスクを上昇させるとして日光浴の自粛を呼びかけましたが、わが国では環境省も、紫外線が健康に与える悪影響や日光の浴びすぎを防ぐ方法をまとめたマニュアル2003年6月に初めて作成しています。

紫外線は、体内でビタミンDを作り骨の発育に寄与するというメリットがある反面、皮膚がんのほか白内障、角膜炎や翼状片などの目の病気、ヒフのしみ・しわの原因になることが分かっています。

紫外線のうち、肌の深部にダメージを与えるUVA波は5月に最も強く、日焼けを起こしやすいUVB波は7〜8月に最も多くなります。紫外線の強さは、真昼よりも午前9時ごろ(真昼の約2倍)と、午後2〜3時ごろにピークがあるとされるため、紫外線の強い日中は戸外で遊ばないようにするにこしたことはないでしょう。

以上の内容は2011年の本HPに載せた紫外線に関する記事の要旨です。

カルシウムやビタミンDの含有量の乏しい母乳栄養児の一部に、乳幼児の骨格異常で、四肢骨や脊椎骨の変形が起こる「クル病」がしばしば認められる事実が報告されています。

紫外線には上記のような問題がある反面、日光を浴びる機会が少ない東北地方や北海道など高緯度地域でもクル病性病変が疑われるケースがあるなど、母乳単独とか、日照機会に問題のある地域での育児も問題にされているようです。

クル病ビタミンDの代謝障害の結果としてカルシウムやリンの吸収不全が起こり、骨の石灰沈着障害などを起こす病気で、日光(紫外線)にあたることで肝臓や腎臓でのコレステロール代謝を通じてビタミンD合成が促進されるものと考えられています。

浴びすぎても困るし、当たらないのも困るという日光ですが、程ほどとはどれくらいか分からないのが一番問題なのかも知れません。