デング熱流行?

カほど恐ろしきものはなし

2014.9.2  

蚊によって媒介される「デング熱」患者の報告があり、厚労省は1日発表された感染者22名以外に、2日、新たに大阪府や青森、愛媛両県に住む感染者13人を含め、感染の合計人数は35名になったと発表しました。いずれも海外渡航歴はなく、東京の代々木公園とその周辺でに刺されて感染した疑いをもたれているようです。
 厚労省によると、新たな感染者13人は未就学児から50代までの男女で、東京7人、大阪3人、青森、山梨、愛媛各1名となっており、いずれも8/5〜26日に代々木公園を訪れたとのことです。

東南アジアや中南米、アフリカなどデング熱の流行地に旅行し、現地で感染を受けて帰国後に発症する人は毎年200例ほど報告されているそうですが、国内での感染例は69年ぶりなんだそうです。

今回のケースも、海外で感染した人が国内にウイルスを持ちこみ、国内に棲息するヒトスジシマカが媒介して広まったものと考えられています。

デング熱は、37日の潜伏期をおいて3840℃の高熱、頭痛や激しい関節痛・筋肉痛、発疹などが出現するもので、多くは一週間程度で治るようですが、中には重症化(15%)して死亡する例も見られるようです。

海外渡航歴もなくこのような症状を有する人が来院しても、これまでであればデング熱を疑う医師はほぼ皆無であったでしょうから、わが国でも従来からデング熱が潜行流行していた可能性を疑っている学者もあるようです。

感染しても1050%の人が無症状で経過するために診断のついてないケースもあると考えられる上、昨年8月には、日本への旅行者で他国には寄ったエピソードがないドイツ人女性が帰国後にデング熱を発症し、日本での感染が疑われた例があるなど、厚労省も警戒を強めていた矢先の出来事となりました。

今回のアウトブレイクでも、見逃されている感染者がほかにもいて患者の裾野はもっと広いのではないかとも見られています。

それにしても「デング熱」とは奇妙な名前ですが、背中の痛みをこらえて歩く様がスペイン語の気取った人を意味する「デング」に似ているところからこの名が付けられたのだとも言われています。

78日付けの本欄で、「人間にとって最も恐ろしい生物は『蚊』」というコラムを載せましたが、マラリアやデング熱、日本脳炎などは蚊が媒介する代表的な感染症であることも紹介しました。

気温が15℃以下になる10月下旬にはヒトスジシマカの活動も鈍るため、今回のデング熱騒ぎも収束すると思われますが、ヒトからヒトへ移ることはないとは言うものの、国内に持ち込まれたのと同じようなパターンで全国に広がることも全否定はできず、今後の流行動向から目が離せない日が続くでしょう。

なにはともあれ、蚊の多そうな場所には近寄らないようにし、長袖の着用や虫よけスプレーの使用などを心掛けて、まず蚊に刺されないようにすることが最大の予防策ではないでしょうか。