B型肝炎ワクチン 定期接種へ?

27.1.13

 1月9日、厚生労働省の専門部会はB型肝炎ワクチンの定期接種」に向けた意見をまとめ、財源確保などの手当てが付き次第、早ければ2016年度にも実施に移すという方針を示しました(110日、各紙)

B型肝炎ワクチンについては、WHO(世界保健機構)が乳児全員への接種を推奨しており、13年末までに183ヶ国が全員接種方式を採用しているそうです。

 

 B型肝炎ワクチン(HBワクチン)が定期接種化されれば、定期接種が現在予定されている子供の予防接種としては、おたふくかぜワクチンを残すだけということになります。

 B型肝炎が妊婦から子供にうつる母子感染(垂直感染といいます)の防止に関しては、1986年から感染防止プログラムが進められて若い世代の感染者は減っているものの、B型肝炎ウイルスのキャリアの血液や体液、時には涙や唾液、尿などを介しての水平感染が家庭や保育所などで少ないながらも発生しており、定期接種化が強く望まれているところです。

肝炎を発病はしていないもののウイルスを保有していて他人に移す可能性を秘めている人(キャリア)がいても、その人の人権と個人情報守秘を尊重する観点から、その人が保因者であることを公にすることは不可能という現実があり、逆に感染を受ける側の人権などを巡って複雑な議論が残されています。

 

B型肝炎は劇症肝炎を引き起こして死亡するケースがあるばかりでなく、肝炎が慢性化して「肝硬変」や「肝がん」まで進行する例もあることから、急性期をクリアしても後遺症的な問題が表面化しかねないという特性をもっています。  

従って、HBワクチンは、劇症肝炎や難治性の慢性B型関連疾患の予防ばかりか、「ガン予防ワクチン」の意味あいをも持っていると言え、乳児期のワクチン接種によりキャリア化を予防することが重要であると考えられています。

HBワクチンの定期接種化に当たっては、接種対象者の年齢や選定、接種回数、免疫の持続性(20年前後か)、接種しても抗体反応がなく効果が見られない場合の追加接種の回数や方法などに関して課題を残しており、検討すべき点が少なくないワクチンとも言えそうです。

厚労省の原案では、接種対象を出生から2、3、7〜8か月の3回を標準とし、家族に感染者がいる場合などは出生直後に接種することも可能とする方針だといわれています。