日本のはしか「撲滅」?

2015.3.31

 

3月24日の本欄で「予防接種の意外な展開とはしか排除の危機」という内容のコメントを書きましたが、その後、3月27日夕刊各紙は「日本のはしかは『排除状態』」にあると認定したWHO(世界保健機構)の見解を報じています。

昨年はオーストラリア、韓国など4カ国が、今回は、ブルネイ、カンボジアも「排除」の認定を受けました。

 先週は米国の話題でしたが、わが国はその米国からかっては「はしか輸出国」の烙印を押されていたのです。

5年間で1000万人以上へのワクチン接種推進、全症例把握などサーベイランスの強化、遺伝子型検査に基づいた日本固有の土着ウイルスか輸入株かの判別、感染経路の特定などの対策によって、はしか患者数は年間数百人規模(2014年は463:すべて輸入例)にまで抑え込まれてきました。

昨年は、フィリピンやインドネシアなどの東南アジアで麻疹の流行があり、現地で感染した人が帰国後に発症する例や、周囲に感染させてしまうという事例が頻発、いずれも遺伝子型の検索で海外株であることが判明しています。

「ある特定の地域において、適切なサーベイランス体制下、そこに常在する麻疹ウイルスによる症例が1年間以上存在しない」がWHOによる「麻疹排除」Elimination)の条件なので、やっとその条件に合致することが出来るようになりました。

麻疹の定期接種は1978年に開始されましたが、接種しても数パーセントの人は免疫を獲得していない可能性があり(primary vaccine failure)、流行が減って感染機会が少なくなると時間の経過とともに抗体価が低下して感染してしまう人(secondary vaccine failure )もあるため、2回接種が必須と考えられています。

2回接種になったのが06年ですが、90年4月以前に生まれた人は2回接種を受けていない公算が大きく、接種歴を確認して2回接種を済ませるように心がける必要性が高いと考えられています。