日光の功罪

 

 2015.4.21

1年のうちで最も紫外線の量が多い季節がやってきました。

小麦色に日焼けした肌は健康的だと見られた時期もありましたが、紫外線はシミやシワのみならず皮膚がんの原因にもなる作用を持っており(光老化)、紫外線防護は子供の時から心がけるべき常識となっています。

紫外線には、皮膚だけではなく白内障や、結膜が黒目部分に覆いかぶさる翼状片、更には老眼の早期化をもたらすなど目の障害を起こす懸念もあります。

以前は母子手帳にも「日光浴」を薦める記載があったのですが、上記のような理由で削除され、「天気の良い日に薄着で散歩するなどしてあげましょう」と外気浴を薦めるくらいのやわらかい表現に修正されています。

1日のうちで紫外線が強いのは朝の9時から午後3時頃までで、薄曇りの日でも快晴の日の70%を超えることもあると言われる所から、このような時間帯はできるだけ室内で過ごすように心がけることも大切でしょう。しかし、子供の運動不足が問題になっている折でもあり、余り強く言うこともなさそうです。

子供にサングラスは無理でしょうから、子供用の日焼け止めクリームを使用するとか、つばの広い帽子を必ずかぶらせる配慮はすべきだと思われます。

紫外線の負の面ばかりを強調し過ぎると、今度は紫外線の大切な点を見失いがちになります。

「ビタミンDは紫外線に当たることによって体内で合成されますが、不足すると「ビタミンD欠乏性くる病」という病気になり、O脚など足の骨の変形のために歩行しづらくなることがあります。

「くる病」は栄養状態の悪い戦後まもない時期に多発し、国民栄養が改善するとともに減少傾向にありましたが、ここ十数年で、特に日照時間の少ない東北など北日本を中心に報告数が増えているようです。

また、食物アレルギーへの警戒心から食事制限が強化され、卵や魚などビタミンDを多く含む食事の摂取量が少なくなったことや、ビタミンD含量が人工乳に比べて少ない母乳育児が推奨、徹底され始めたことも一因になっているのではないかと考えられています。

国立環境研究所などが14年に公表したデータによれば、一日に10?cを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間は(12月の晴天の正午、顔と両手の甲を露出した状態)那覇市で14分、茨城県つくば市で41分、札幌市で139分であったとし、この2〜3倍の量を浴びると皮膚に悪影響が出るとの推計も明らかにしているそうです(4月16日、日経夕刊)。


 昨年2014年5月13日にも当トピックにて、日光浴の是非についての記事があります。