汗ばむ季節がやってきました

汗の功罪

2015.5.26


 まだ5月なのに夏本番を思わせる暑い日が続きます。本格的な暑さはやっかいなベトベト汗の季節でもあります。

 発汗は体温調節に働くとともに、汗と皮脂腺から分泌される皮脂とが混じり合ってできる成分が皮膚を被って乾燥を防ぎ、アレルゲンや化学物質などから肌を保護する役目も果たしています。寒い季節になると肌が乾燥し肌荒れしやすくなったり、湿疹が悪化するのは汗も皮脂も減るからでしょう。

 汗に含まれる乳酸の影響などもあって健康な皮膚は弱酸性に保たれており、細菌に対する抵抗力を保つ働きの基になっています。汗をかいてそのままにしておくと皮膚表面がアルカリ性に傾いて細菌が繁殖しやすい状態になりかねず、「あせも」やそれがもっと悪くなって「あせものより(感染膿瘍)」を作る原因となります。

 皮膚を清潔に保ち、スキンケアを続けることがトビヒなどの皮膚の感染症やアトピー性皮膚炎の増悪を予防する上で大切なことはよく知られていることです。

 大阪大学のマウスを使った研究によれば、アトピー性皮膚炎のかゆみなどの症状を引き起こす化学物質「ヒスタミン」が、発汗を抑えて皮膚を乾燥させ病状を悪化させる一方、抗ヒスタミン薬がその抑制を解除することなども分かったということです(2013.8.1、産経)。アトピー性皮膚炎の人では、発汗量が通常の人の約半分になっており、汗をかかないことがアトピー性皮膚炎悪化の一因ではないかというのです。

 研究チームが、正常なマウスにヒスタミンを投与したところ、汗腺から汗が出なくなり、汗腺を観察すると汗の量が減少したことで上記の推論が裏付けられたと報告されています。