ブタ肉の生食でE型肝炎が増加

ナマ肉の生食はご法度

2015.6.16

 厚労省は6月12日、食品衛生法改正にのっとり、飲食店などがレバーなど内臓を含む豚肉を生食用に提供することを禁止する通達を出しました。

 2011年4月、北陸の焼肉チェーン店でユッケやナマ牛レバーによる腸管出血性大腸菌O111の集団食中毒事件が発生、厚労省は2012年7月に生食用の牛レバー販売を禁止しました(本欄2011.6.21「病原性大腸菌感染症 その後」参照)。  

これをきっかけに、代替品として「豚のレバ刺し」を提供する飲食店が増えファンも多いところから、ナマ豚肉を食べてE型肝炎」にかかるケースが目立ってきたといわれています。

 E型肝炎ウイルスはナマの豚レバーの約2%で検出されるといわれ、豚肉に限らず「鹿肉やイノシシ肉」も汚染されていることがあるため、ジビエ料理(野生の鳥獣の狩猟肉を食材として使う料理、主にフランス料理 Gibier)を楽しむことには細心の注意を払う必要があるようです。

 実際に、E型肝炎の患者報告数は11年に61人であったものが14年には154人まで増えているというのが国立感染症研究所の調査結果です(6月14日、日経ほか)。半数以上が原因不明だそうですが、豚肉が疑われた症例のおよそ半数が豚レバー、3分の1がナマの肉を食べていたとのことです。

E型肝炎は感染してから黄疸や発熱、全身倦怠感などの症状を呈して発病するまでの「潜伏期間」が平均6週間もあり、生食によるものと想い起す人も少ないのではないかと見られています。

E型肝炎はカゼのような症状で始まる点はA型肝炎に似ているのですが、劇症肝炎になることもあり、ナマ肉を避け、豚肉の中心部を63℃で30分以上の加熱をするか、75℃1分間以上の加熱が必要とされています(日経)。ハンバーグなどのひき肉料理は赤みがなくなるほどに中心部まで火を通し、ナマ肉に触れた手はよく洗うこと、ナマ肉を調理した包丁やまな板は熱湯をかけて消毒する注意も大切です。

厚労省が定めた「生食用食肉の衛生基準」(平成10年)によると、基準を満たした肉のみ「生食用」として流通できることになっています。基準に適合した生肉が出荷されることはまずないようですから、牛や豚の肉はナマでは食べられないと考えておいた良さそうです。