宵っ張りの園児 まだまだ目立つ

「夜型園児」30万人

2015.9.1

 幼稚園や保育園に通う3〜6歳児の約10%(全国で少なくとも30万人)は、早寝早起きが苦手な「夜型」の生活パターンを持っていることが、国立保健医療科学院などの全国調査で分かったということです (8.8、各紙)

 調査は20131012月、幼稚園と保育園に通う全国の幼児の保護者1万人余りを対象に「毎朝午前6時に起きるとすれば、どのくらい難しいか」、「何時ごろ疲れて眠そうになるか」といった目覚めと眠気に関する10問について、3〜5個の選択肢の中から回答を選ぶ質問票を配布して実施されたものです。 

 回答を点数化して朝型、中間型、夜型の3系に分類したところ、朝型は約33%、中間型は約57%、夜型が約10%だったということです。通園中の3〜6歳児は約  300万人ということですから、通園児のうち約30万人が夜型幼児ということになります。

 このように成長や行動に問題が生じる懸念のある「夜型」が依然として多い実態が明らかになったのですが、本調査に先立って行われた試行的調査では、夜型の入眠は10時、覚醒は7時半で、朝型の午後8時50分、午前6時40分よりも約1時間ズレていることが示されています。

 この研究の統括者は「無理に早く寝かせようとするよりも、寝室に早朝から光が入るようにしたり、就寝前のテレビや外出を避けたりするなどして生活リズムを整えることが重要」とのコメントを出しています。

 以上のような調査結果があるかと思えば、4年前に()日本小児保健協会が行った調査では、「夜10時以降に寝る子供の割合が2010年頃から減少に転じ、10年前の6割に減るとともに早起きも増えている」という相異なる結果が示されているのです。このように早寝早起きが増えた理由として、夫婦共働きで早起きの親が増えたこと、仕事から帰って一緒に遊ぶ時間が制限されることによるのではないという分析もなされてはいるのですが・・・。

一方、米国でも子供の睡眠不足の増加が危惧されていますが、米国科学財団(NSF)1997年に実施し、2002年と2007年に大規模追跡調査を行ったデータでは、米国の子供は「適切な睡眠時間を取っている」と結論付けられています。

子供に限らず日本人の睡眠時間は年々短くなり、世界でも1、2を争う「眠らない国」になってきているそうです。

不眠の症状のある人の割合は2割余りと言われていますが、ある製薬会社が昨年夏に行った調査によると、日本人の2079歳男女の約4割に「不眠症」の疑いが残り、そのために日中の集中力やパフォーマンスの低下が不眠症でない人に比べて3割以上も見られたそうです。この不眠症による経済的損失は、年間約3億円に達するとの推計も示されています。

人間は生涯かなりの時間を眠って過ごしそのありようは多種多様、睡眠は文化の一つであるはずなのに、睡眠時間はこうあるべしといった睡眠を科学的に理解しようとする考え方が染みつているという意見もみられます(睡眠文化研究会、8月29日、日経夕刊)。この記事の中で、電車で居眠りをする日本人の光景に海外からの旅行者が驚き、日本人は公衆の面前で眠ることを恥とする意識が薄いという睡眠文化があるとも述べられています。