高所平気症?

2015.11.10 

高所恐怖症なら分かるのだけれどとおっしゃる方も少なくないでしょうが、「高所平気症」なる言葉が最近またよく登場するようになりました。

「また」というのは、今から25年ほど前に高層マンションが林立するようになった時代にも、新語としてマスコミで再々取り上げられたことがあるからです。

 最近はタワーマンションの人気が高まり、そこに住む子供はいつも高い所から見下ろすような視界に慣れているため、木の上やジャングルジムなどに登っても怖がることがなくて転落事故につながりやすいというのです。

 少し高い所から見下ろすと恐怖心を覚えるのは人の常、断崖絶壁やロッククライミングでも怖くないという人は極ごく少数派か、鍛錬して慣れてしまった人に限られるでしょう。

 1027日の産経新聞は「『高所平気症』が急増?」として、「後が絶えないマンションの幼児転落」という記事を載せています。

 この記事では、「高層マンションのベランダから子供が転落し、命を落とす事故が後を絶たない。背景の一つは、高い場所に恐怖心を抱かない『高所平気症』の子供の増加だ。ベランダをくつろぎ空間とする生活スタイルの変化も事故につながる一因で、好奇心旺盛な子供の特性を踏まえた対策が必要となる」と解説しています。

 ベランダは住人全体の共有物、大切な避難路として私物を置いてはならない規定になっている筈なのですが、ガーデニングや家庭菜園を作り、テーブルや椅子を配して楽しむというのが最近の流行になっているようです。

 建築基準法では、ベランダフェンスの高さは110a以上と定められているのですが、ベランダに置かれた椅子やエアコンの室外機を踏み台にして身を乗り出し転落してしまうというのが常套のようです。

 高さに応じて危険性を判別する感覚は4歳ごろまでに大人の8割程度まで発達するが、高層階暮らしでは危険感知の感覚が育ちにくいのではないかと記事は述べています。

 転落のみならず、やけど、誤飲・誤嚥、風呂場でのおぼれ、ドラム式洗濯機内への閉じ込め窒息・・・など住宅に潜む危険は数え上げればきりがありません。事故で医療機関を受診した子供(12歳以下)7割は住宅内で事故に遭っていると言われます。

人口動態統計をみても、「不慮の事故」は1〜4歳の死因の第2位、5〜9歳では第1位となっており、家庭内での事故防止対策は大切な課題です。

事故の予防には親を含めて周囲の人が事故に関心を持つことが重要と言われていますが、入浴時には子供から目を離さない、使用後は浴槽や洗濯機の水は抜く、ベランダには踏み台になるような物を置かない、ベランダへの出入り口には上部に鍵をつけるなどの注意が必要でしょう。

しかし最近、日本人は総じて呑気で無防備、子供が危険に瀕した時でも配慮に欠ける親が少なくないように思われます。親に限らず、これほど暴走車の話題の絶えない世の中にあって平気でスマホ歩きにふけっている大胆な人々を見るにつけ、平和な方が増えたんだなぁという感を深くするのは筆者だけではないでしょう。

 子供の不慮の事故を予防するため、子供を事故から守る!プロジェクト」(http://www.caa.go.jp/kodomo/)の一環として「子供の年齢(月齢)ごとに起こりやすい事故及びその予防策」が携帯サイトやHPなどで紹介されています。ご覧ください。