小学生の視力 過去最悪 1.0未満」3割

「肥満」は ?

2016..2  

  文科省がまとめた2015年度の学校保健統計調査(速報)によると、裸眼視力が「1.0未満」の小学生の割合は30.9%と過去最高で、1979年度の調査開始以来、過去最悪となったということです(1月23日、各紙)。

 裸眼視力が1.0未満の子供の割合は、幼稚園26.82%、中学校54.05%、高校63.79%で、父母世代に当たる30年前の85年度調査と比べ、約6〜17?増加しているそうです。

 このような結果に対して文科省は「スマホやパソコンなどの画面を長時間近くで視ていることが原因なのではないか」と指摘、「家庭内でルールを作って目を酷使させないでほしい」とコメントしています。

 調査には、視力のほか「肥満傾向児」、「虫歯」、「寄生虫卵(ぎょう虫検査)」などが含まれていますが、「肥満傾向児」の割合が減少傾向にあることや、「虫歯のある子」の割合は減少傾向が続いていること(本欄27.11.10「子供の虫歯 激減」)なども報告されています。

なお、昭和12年度から実施されてきた「寄生虫卵保有の有無」と「座高調査」は、子供たちを取り巻く環境の変化を勘案して「省略可能」と判断され、2015年度をもって廃止されることになりました(学校保健安全法施行規則改正)。代わって「運動不足」などを調べる新たな検査の導入が検討されているそうです。

 1月26日の日経新聞は「肥満乳幼児 世界で増加」と題し、WHO(世界保健機構)の小児肥満撲滅委員会が、過体重または肥満の乳幼児(5歳未満)が世界的に増加傾向にあり、2014年に少なくとも4100万人に達したとする報告書を紹介しています。

この傾向は中低所得国で特に深刻で、経済成長に伴うジャンクフードや砂糖の摂取増加など食生活の急激な変化が影響しているとの見方が示されています。欧米では親の経済状況が子供の肥満に影響するとの研究結果があり、国内でも「経済水準が低いほど肥満割合が高い」とする同様の傾向が認められており(日本医科大調査、2015.8.10)栄養バランスの偏った食生活が肥満の原因とみられています。

肥満が健康の大敵であることは広く知られてはいるものの肥満人口は今や世界で20億人とも言われています。わが国では、メタボへの警戒が高まるとともに、子供の時からの生活習慣病対策としてカロリーの過剰摂取や糖分の多い清涼飲料水を控える習慣が定着しつつあることも肥満児の減少につながっているとも言えるでしょう。

政府の財政諮問会議が昨年11月にまとめた、財政健全化に向けた改革工程表原案では社会保障分野が重視されており、中でもメタボリックシンドローム患者やその予備軍の人口を2020年度までに現在の1400万人程度から25%減らすという目標が盛り込まれています。

運動不足は肥満より2倍有害であるという説もあり、1日20分の早歩きが早期死亡リスクの低減に役立つことも分かっています。

ところが女子中学生の3割、女子小学生の2割が、1週間の運動時間が1時間未満で、中学女子では4人に1人(24%)が「0分」との回答もあり(2013年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)、部活動などで日常的に運動する生徒とそうでない生徒の二極化が浮き彫りになっているようです(2013.12.15、毎日新聞)