ジカ熱 日本にも潜入?

水際で防げるのか?

2016.2.9

 デング熱騒ぎが沸騰したのは一昨年の8月のことでした。

厚労省はこれを機に専門委員会を新設し、蚊が媒介する感染症の予防対策指針を策定、感染拡大を防ぐための蚊の駆除法や蚊の発生を抑える方法についても検討を進めました。

その矢先、突如「ジカ熱」騒ぎが持ち上がったのです。ジカ熱は「ジカウイルス」が引き起こす感染症で、ウイルスを持った蚊に血を吸われることで感染が広がります。ジカウイルスは1947年にアフリカのサルで最初に確認され、アフリカ・ウガンダの森の名前にちなんで「ジカ」と命名されたそうです。

昨年5月にブラジルで感染が確認され、その後中南米など28ヶ国・地域に爆発的に拡大、WHOは今後1年間に世界で300万〜400万人の感染者が増えると予測して「緊急事態宣言」を出しています。

CDC(米疾病対策センター)は性交渉を通じて感染する可能性をも指摘、世界で3例の疑い例があるとの見解を示していますが、このような特殊例を除き、原則ヒトからヒトに感染することはないと考えられています。

今ブラジルはリオのカーニバルに湧き、夏にはオリンピックを控えているだけに拡大が懸念されており、妊娠中絶を原則禁止しているカトリック大国のブラジルでは、中絶の是非をめぐる議論が起きているそうです。このウイルスをもった蚊にさされても8〜9割の人は発症しないと考えられており、この点は、同じく蚊の媒介で発病する「日本脳炎」と似たところがあると言えるでしょう。

問題は、妊婦が感染すると生まれつき頭が小さく知能障害が出やすい「小頭症」の子供が誕生しかねず、「ギラン・バレー症候群」という神経の病気を起こす危険性がある点も懸念されるようです。

厚労省は2月5日、ジカ熱を感染症法の「4類感染症」に指定した上で、感染者と診断した医師には保健所への報告を義務付けることとし、また検疫法に基づき、入国者が検疫所でウイルス検査を受けることができるような態勢づくりにも着手しました。特に、妊婦が流行地に出かけるリスクは否定できず、CDCや国立感染症研究所は「当面控えるべき」との立場をとっています。

ジカ熱はデング熱同様、主にネッタイシマカによって媒介されますが、日本に生息するヒトスジシマカも媒介能をもっているため、今後、日本での流行が起きる可能性は否定できないようです。