E型肝炎って?

2018.4.26  

E型肝炎患者の増加止まらず」、4月22日の産経新聞の記事です。

報告数は昨年同期の2.3倍に増加しており、その背景には豚やイノシシなどの肉・レバーを生のままや生焼けで食べることがあるのではないかと書かれています。

E型肝炎とは聞きなれない病気でしょう。子供には余り関係ない病気かも知れませんが、子供は感染しないというわけでもありません。B型肝炎やC型肝炎は新聞などにもよく登場する病気なのでなじみもあるでしょうが。

B型肝炎」については、この10月から定期接種化が計られ、標準として、

0歳の間に生後2か月から計3回の接種(2、3、7〜8カ月の3回)を受けることに決まっています。

乳幼児期の集団予防接種における注射器使い回しによるB型肝炎感染(最大28万人か?)への反省と対策、1986年にはウイルス(HBV)を持つ母親からの感染 (垂直感染)防止が開始され、20歳代以下の若い世代の感染者は激減したのです。

しかし、3歳未満のB型肝炎ウイルス感染はキャリア化(持続感染)するリスクが非常に高く、また、血液や汗、唾液などの体液を介しての感染(水平感染)が一定の割合で発生しているため、B型肝炎ワクチンの定期化が以前から望まれていたのですが、費用(年に100億円以上?)対効果に関する異論や、財源難から伸び伸びになっていたものです。27.1.13 本欄参照)  

WHO(世界保健機関) が乳児全員へのワクチン接種を推奨していることもあって、

2013年末までに183ヶ国が全員接種方式(ユニバーサル接種)を採用しているのです。しかし制圧への道は遠く、10種類あるHBVの遺伝子タイプのうち、従来から日本に多かったCBから新たにAタイプにシフトしており、最近のB型急性肝炎の割合の過半数はこのAタイプによるものです。その原因のほとんどは性交渉によるものとされています。

 C型肝炎に感染している患者さんは推定150200万人いると推定されていますが、B型、C型併せると推定370万人にも及び、国内最大の感染症とも言われています(全世界では約5億人以上:WHO)

再びE型肝炎の話に戻りますが、なぜこれほど増えてきたのでしょうか?

平成24年7月、食品衛生法改正で「牛の生レバー」の提供が禁じられたものの、豚の肉や生レバーの生食は法律で規制されておらず、牛レバーの代替品として豚の肉やレバーを生食で提供する飲食店増えたからだと見られています。増加の一途をたどるE型肝炎に危機感抱いた厚労省は、昨年5月に食品衛生法に基づく規格基準を改正し、豚肉の生食を禁止することを正式に決めたのです。

豚に限らず、イノシシ、鹿の肉やレバーなどの内臓にもE型肝炎ウイルスが含まれている場合があり、グルメブームでジビエ(野生鳥獣肉)がもてはやされている折から、厚労省は食中毒防止の徹底を図るために国の方針を決めることにしました。(26年7月)

イノシシや鹿、豚を食する時は生食を避け、75℃で1分以上」加熱することがE型肝炎や食中毒予防のためには必須です。