蚊の季節到来!ジカ熱とリオ五輪 大丈夫?

(本欄2月9日「ジカ熱 日本にも潜入? 水際で防げるのか?」)   

     2016.7.12

 南米初のリオデジャネイロ・オリンピック開幕まであと3週間を切りました。

 経済危機、治安情勢、大統領弾劾問題をはじめ、何よりも施設整備の遅れが危惧されているリオ五輪ですが、ジカ熱H1N1インフルエンザなど感染症の流行も頭を抱える問題となっているようです。

 一部の海外選手が五輪不参加を検討し始めたのは既に半年以上前からでした。今月3日には、わが国ゴルフ界のエース松山英樹選手がジカ熱の懸念などを理由にリオデジャネイロ五輪に出場しない意向を表明するなど波紋が広がっています。世界1位のジェーソン・デー(オーストラリア)や、ロリー・マキロイ(イギリス)ら複数の有力選手もジカ熱感染への不安を理由に出場辞退を表明しています。

 ネッタイシマカヒトスジシマカなどの蚊が媒介するジカウイルスが感染の原因ですが、蚊に刺されてから2〜12日の潜伏期を経て発症し、発熱、発疹、頭痛・関節痛、結膜充血などの症状が出ます。日本脳炎と同様、刺されても症状の出ない人の方が約8割以上と多く、デング熱と比べても症状は軽くて後遺症もほぼないとされていますが、「当初考えていたよりも、やや恐ろしいウイルス」ではと警戒されるようになりました(4月、CDC見解)

 中南米での流行は昨年5月頃からのようで、最大で400万人感染の恐れもささやかれ、妊婦が感染すると「小頭症」の赤ちゃんが生まれる原因となるばかりか、早産や失明などの恐れがあることも分かってきました。

流行地域では人口の2580%が感染する可能性があるとされ、日本での流行はまだないものの海外から帰国して発症した人がこれまでに4人いるそうです。

ブラジルではジカ熱関連小頭症の赤ちゃんは既に2000人を超え、CDC(米疾病対策センター) も、妊婦のジカ熱感染と小頭症などの脳の障害について「関連は科学的に証明された」として、妊婦に対する流行地域への渡航自粛要請を継続しています。(重症の小頭症は、妊娠して最初の3ヵ月ごろの初期の感染が多い)

WHOは今年2月に「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」宣言をし、日本も4類感染症に指定して患者を診察した医師に報告を義務づけています。

   (蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針に則ることが大切)

 ワクチンや特効薬などはないため、予防は、蚊に刺されないことに尽きます。

厚労省は「ディート」などの虫よけ剤について、より高濃度で長持ちする製品の審査を早めて9月末までに承認の意向と伝えられています。また今年6月には、米ハーバード大学などのチームがマウスでのジカ熱ワクチンの作製に成功、安全で効果的な人のジカウイルスワクチン開発に期待が高まっています。