リオデジャネイロ五輪 佳境に

蚊媒介感染症の脅威! 一難去ってまた一難

2016.7.9

 9日で第5日目を迎えたリオ五輪ですが、体操男子団体の金メダルが燦然と輝く結果となりました。

 当初懸念されたリオデジャネイロの治安や「ジカ熱」の流行に関して目を引くような報道もなく、うまくコントロールされている感無きにしも非ずという処でしょうか。現地では新規のジカ熱患者数は減少傾向にあるものの、同じ蚊が媒介する「チクングニア」という感染症が増勢にあるようです。

 「ジカ熱 人ごと!?」。

日本国内の危機感のなさを報じた2月の新聞報道です。半年前にはジカ熱がどんな病気か十分な情報もなく、遠い国のよそ事と見られているのではないかというのが憶測記事の概要です。

 ジカ熱流行への懸念から、感染症法に基づく保健所への報告義務(215日、政令)、帰国・入国者に対する検疫所での診察などに関する検疫法の政省令も施行され、水際対策も強化されることとなりました。

 ジカ熱に妊婦が感染した場合に脳の発達障害を伴う「小頭症」が急増する事実は広く知れ渡るようにはなりましたが、小頭症の報告がブラジルで突出して多く、他の中南米諸国では比較的報告例が少ない理由も十分には解明されていないようです。

 同じく蚊が媒介するデング熱と比べても症状は軽く、感染しても症状が出ないこともあるとされるジカ熱ですが、ブラジルで流行中のジカ熱ウイルスの遺伝子解析では、1314年にジカ熱が流行したフランス領ポリネシアのウイルスと同じアジア系統のルーツであることが判明しており、14年にリオで行われたカヌー大会の参加者が持ち込んだ可能性が示唆されているようです。

 蚊に刺されてから2〜12日の潜伏期を経てから発症するとみられ、ブラジルで感染し入国時には無症状で帰国した人の中から患者が出始めるのはあと数日以後のことになります。発症時にはウイルス量は減っているようですが、帰国ラッシュの始まる頃には十分な関心を持って臨む必要があるでしょう。

 予防には、まず蚊に刺されないように注意すること、水たまりなど蚊の発生しそうな場所の撤去、自治体などによる媒介生物駆除(ベクターコントロール)が必要です。