麻疹 (はしか) 突然の勃発

関空は大騒動! 麻疹排除国認定危うし? 各地へ飛び火か?

2016.9.6

全国的にも麻疹患者が増えるなか、関西空港職員の間などで多数の麻疹患者が発生(94日現在35)、関空はまさにてんやわんやの大騒ぎとなっています。

昨年3月27日にWHO(世界保健機関)が日本を麻疹「排除状態」と認定したことは本欄で報告しました。その後も、渡航歴のある人、特に東南アジアへの渡航者やその接触者から年間200人程度の麻疹患者の発生が報告されています。

このようなケースは2014年に急増しましたが、検出ウイルスの遺伝子解析では日本に従来からある遺伝子型のものではなく、すべて海外流行株の遺伝子型であることも分かっています。日本土着のウイルスによる麻疹感染は3年間確認されていないことなどから、上記のWHOの「排除」認定がなされたのです。

感染経路は不明ですが、今回の騒ぎも中国由来の遺伝子型ウイルスによることが判明しており、このまま麻疹患者が増えるようなら、WHOの認定が取り消される事態も予想しておかなければならないかも知れません。

米国で麻疹根絶が宣言されたのは15年以上も前のことですが、2014年末にカリフォルニア州のディズニーパークから麻疹が流行し同州で拡大したことも既に報告しました。その背景に予防接種忌避者vaccine refusalの存在や「反ワクチン運動」の台頭があることにも言及しております(2015.3.24 本欄)

今回の騒ぎには、7月末に関空を利用した西宮市在住の19才男性が海外滞在中に麻疹を発症し、帰国後の8月14日に千葉市幕張のコンサートを訪れて東京にも立ち寄った後、自宅に戻って19日に麻疹の診断を受けるというおまけまでついています。更には、この青年と同時に関空で感染したと思われる職員や20代の関空勤務の女性が828日に麻疹を発症、27日以降には関空スタッフを中心に感染患者が拡がるなどの番外編まで出たことで、8月17日以降に関空を訪れたことのある人でワクチン未接種など感受性者は要注意となっています。

麻疹ワクチンの接種を受けてない人や1回しか接種しておらず免疫が切れてしまった人など、中でも26歳〜39歳の成人層の発症が特に危惧されています。

麻疹は「空気感染」し感染力が強く、感染者が去ってからもウイルスは2時間もその場に留まり、免疫を持たない人は約90%が感染すると言われています。感染を防ぐには2回の予防接種が必要ですが、2回接種になったのは06以降のことで、90年4月1日以前に生まれた人は1回しか受けてない公算が大ですから、麻疹に対して無防備な人(感受性者)は追加接種を受けるべきでしょう。