野菜は流水で3回洗浄!

食中毒予防の決め手

2016.9.27

 

 8月下旬、千葉県市川市と東京都羽村市の高齢者施設で腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒が発生し、8090代の男女5人が死亡するという事件がありました。

2施設とも同じ給食サービス会社を利用、食中毒の原因はナマのキュウリを用いた「あえもの」と断定され、農耕栽培中に使われた堆肥や農業用水などか、流通過程での汚染が想定されています。

 食中毒と言えば真夏のものと考えがちですが、ノロウイルス中毒などを除けば、統計上は9月が最多という年も珍しくはなく、猛暑が過ぎた油断から衛生管理に手ぬかりが出るといった気のゆるみが背景にあるようです。

 2012年8月には「白菜の浅漬け」O157による食中毒が北海道で発生、高齢者施設を中心に一般消費者らにも広がり、約130人の発症者のうち7人が死亡するという惨事に発展しました。

 O157による食中毒と言えば、加熱の足りない肉料理と考えがちですが、野菜によるO157中毒も少なくありません。野菜には水や土に由来するさまざまな微生物が付着しており、特に牛フン堆肥を用いたりすると、堆肥中の牛フン由来のO157が死滅せずに残っている場合もあって危険なのです。2014年には静岡市内で冷やしキュウリが原因の食中毒で100人以上が入院した事例もありました。

 浅漬けは塩分が低く、菌の増殖抑制効果も小さいため保存食と考えない方が賢明です。同様の浅漬けのO157食中毒事件は、00年に埼玉県、05年に香川県(6人死亡)などの報告があり、浅漬けはナマに近い物という感覚が求められます。

 漬物の衛生規範は1981年に定められたものの浅漬けには明確な規定がなかったため、これらの事例を踏まえて、2012年に衛生規範の改正が行われています。

 浅漬け製品を食する場合には消費期限を守ること、塩素系溶液などを使った殺菌方法を講じたものを優先し、ナマ野菜を使う場合には流水で3回洗浄、特にトマトのへたやキュウリのいぼいぼの周りは念入りに洗う注意が必要です。

 生肉や魚の下ごしらえをした後は、まな板や包丁、フキンに熱湯をかけてから完全に乾燥して、付着した細菌を減らすような工夫も必要でしょう。

飛び回っているイエバエもO157を媒介することが分かっており、イエバエの口腔内でO157が増殖して食べ物に移す事実も確認されています。従って食べ物にイエバエが停まらないようにする配慮も食中毒予防には大切です。