清涼飲料と肥満

2016.11.1

 子供の肥満やメタボリック症候群が、世界の先進国の共通した悩みであることについては、以前からこの欄でも触れて来ました。

肥満の子供は、大人になっても肥満が続く可能性が高く、糖尿病など慢性疾患にかかるリスクも高いとされ、「緊急の対策を要する課題」となっています。

 WHO(世界保健機関)の小児肥満撲滅委員会は、本年1月、過体重または肥満の乳幼児(5歳未満)が世界的に増加傾向にあること、そして2014年にはその数が少なくとも4100万人に達し、18歳未満の子供全体でも増加傾向に変わりはないとの報告書を発表、各国に対策強化を促しています。

 アフリカを初めとする中低所得国においては特に深刻で、90年の750万人から14年には1550万人へと2倍以上に増加しています(全体としては32%)

過体重の割合が20%以上はリビアなど2ヵ国、米国や中国などは10%未満の2番目に低いグループ、日本は5%未満の最も低い国のグループに入っています。

経済成長に伴うジャンクフードや砂糖の摂取増加など食生活の急激な変化に伴って、アフリカ諸国などでも乳幼児の肥満が急速に拡大してきたのではないかと懸念されています(28.1.26、日経)。 

6〜19歳層の5人に1人は適正水準を上回る肥満と言われる米国で、肥満が社会問題化していることはよく知られた事実でもあります。

一方わが国では、全国の幼稚園、小中学校、高校で「肥満傾向」と判断される子供の割合が3年連続で10%以下となったことが、平成26年度の文科省学校保健統計調査で明らかにされています(平成27124日、各紙)。ただ福島県では東日本大震災以降、肥満傾向が依然高いままであることも判明しており、これは子供たちが屋外を避け、屋内での遊びが習慣化しているせいではないかと分析されています。98%の学校で屋外活動の制限は解除されて、震災前と同じ状況に戻っているにもかかわらず改善が進んでいない実態が浮かんできました。

 子供の肥満防止策として、砂糖を多く含む飲料水や不健康な食事を避けるほか、十分な睡眠や適度な運動といった好ましい生活習慣を人生の早い段階で身に付けさせることが重要だと強調されています。

 清涼飲料に含まれる人工甘味料が甘いものへの食欲を増進させている可能性があり、水はのどが渇いた時の最善の選択肢で、学校にウォーターサーバーを設置すれば他の高カロリーの飲料水を飲む機会が減ることが認められています。