乳児 受難の時代

2016.11.29

「就寝中にベッドや布団などで窒息死した1歳未満の子供」は、平成26年までの約5年間で160人に上るという消費庁の集計結果を1022日の各紙が伝えています。事故発生時の状況を分析すると、1)顔がマットレスなどに埋まる(33)2)寝具が顔を覆う・首に巻き付く(17)3)ベッドと壁の隙間などに挟まれる(13)などが目立っています。

 「認可外うつぶせ死 相次ぐ」(4.13 毎日)。とはいえ大半が家庭内の事故で、大人用の寝具に寝かせて起きた事故も多いことから、ベビー用ベッドを使い、あお向けで寝かせるよう心掛けるべきという注意も併記されています。

これらの動向は、厚労省「人口動態統計」の死亡調査票を分析するなどして出された結果で、14歳以下の子供のうち、交通事故を除く不慮の事故で死亡した子供は平成26年までの5年間で2030人に上ることが判明しています。玩具や食品を喉に詰まらせた窒息死や、ベランダなどからの転落死、浴槽での溺死が目立っているようです。

年齢別での集計では、0歳では、「窒息」が圧倒的に多く、約8(404)を占めています。

一方、保育所で子供が死亡あるいは大けがをするといった重大事故は後を絶たないようです。2015年に全国の保育所で保育中に死亡した乳幼児は12人。SIDS(乳幼児突然死症候群)2人、病死や溺死が1人ずつ、死因不明が8人、04年以降累計は172人で高止まりの傾向がみられます。

厚労省の保育事故報告では、保育所での死亡事例は待機児童解消に向けた保育園の整備など保育事業の拡大に比例して増加しているものの、その増加率を上回るスピードで増えているようです。深刻な保育士不足などによる保育の質的低下がその背景にあるのではないかとする懸念も指摘されています。

政府は、13年度からの5年間で50万人分の保育の受け皿を整備中ですが、それには9万人の保育士増が必要となるものの、離職者の増加もあって供給が追い付かないというのが実情のようです。

このような保育所内での事故予防のため、厚労省は保育所向けの「事故防止ガイドライン」を作製し、事故が起こりやすい場面ごとに注意点を列挙し注意を呼びかけています。(1010日、日経)