おたふくかぜ (ムンプス) 騰勢衰えず!

ワクチン接種を急いで !

2016.12.20

おたふくかぜ (ムンプス:流行性耳下腺炎)流行の勢いが止まりません。

ムンプスの年間患者数は、小児を中心に毎年約数十万から100万人以上と言われていますが、国立感染研の全国集計を見てもおよそ25万人。

1定点あたりの報告数は、第47 (1121日〜27) 0.96(大阪は1.65)で、流行のピークは過ぎたものと推定されます。

大阪での報告数は3年連続で減少した後、平成26年からは増加に転じ、本年は昨年の倍以上の報告数となっており、この数年は増加基調にあります。

WHO2009年の報告では、世界118カ国MMR(麻しん・風しん・おたふくかぜ混合生ワクチン)の定期接種、それも殆どの国で2回接種が実施されており、その成果もあってか、おたふくかぜの発生件数は激減しているのです。

現在わが国ではおたふくかぜワクチンは任意接種となっていますが、平成元年から5年間はMMRワクチンとして定期接種の対象となっていた時期もありました。現在、定期接種に向けて協議が進められてはいますが、財源等の関係で開始時期については不透明です。

ムンプスの潜伏期はおよそ18日前後で、両耳下にある唾液腺の耳下腺の痛みを伴った腫れを主訴に受診されることが多いようです。初診時に耳下腺の腫れを認めなくても、ムンプスであれば、その日のうちに腫脹が発現します。耳の下の痛みを訴えても、耳下腺以外、例えば頸部リンパ節の腫れのことも少なくありません。

ムンプスの合併症は無視できず、ムンプス髄膜炎、難聴、膵炎、精巣炎、卵巣炎などを伴うことがあります。

ムンプス髄膜炎は自然感染では1〜10とされていますが、ワクチン接種でも誘発される (0.1%以下) という厄介な問題も残されています。

耳下腺の腫れがないからムンプスではないとも言えず、耳下腺炎を伴わないムンプス、不顕性感染(1/3程度)や髄膜炎のみのムンプスもみられるようです。

ワクチンを2回接種した場合の発病阻止効果は6〜9割とされていますが、ワクチン接種直後に一旦上昇した抗体は時間とともに弱まり、約4年で8185%に減衰、接種後10年以上経過すると発病を阻止する限界を割り込んでしまう可能性も指摘されています。

ムンプスウイルスがヒトの細胞に侵入し、感染する仕組みを解明したとする研究成果が9月に九州大学から発表され、ワクチンの改良や抗ウイルス薬の開発につながるものとの期待が高まっています(.27、産経夕刊)

登園・登校基準については、2012年4月に文科省が「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令」を施行し、流行性耳下腺炎はそれまでの「耳下腺の腫脹が消失するまで」から、「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」へと変更されました。

ワクチンに限界はあるものの、約30%とみられる接種率をいかに高めるかが流行抑止のカギになります。定期接種化の一刻も早い導入を期待しましょう。