肥満と喘息の関係

卵が先か、鶏が先か?

2017.3.14 

 男性で腹囲85a以上、女性90a以上で中性脂肪や血圧、血糖の値が高い「メタボ症候群」の人は、心筋梗塞や脳梗塞などにつながりやすいことは今や常識となりました。

肥満の小児は喘息発症のリスクが高いと言われてきましたが、逆に、喘息があると肥満のリスクが高まるという事実が米カリフォルニア大学で明らかにされています。

 この因果関係を明確に説明できる証拠は未だないようですが、喘息があると運動不足になりがちなことや、喘息薬の副作用による肥満、肥満と喘息に共通した遺伝的基盤が存在している可能性なども疑われています。

 メタボと関係の深い生活習慣病は、遺伝的な因子もさることながら過食や運動不足が引き金になることもよく知られた事実ですが、父親が乱れた食生活をしていると精子を通じて生まれた子供にも食生活などの「細胞の記憶」が伝わり、生活習慣病を発症しやすくなるとする研究成果が昨年あたりから目につきます。

 「父親による世代を超えた糖尿病の誘発」が象徴するように、父親の食生活の内容も重視すべき時代の到来とも言われているゆえんなのです。

また2年前には、WHOの専門組織IARC(国際がん研究機関)が、肥満でがんを発症する人が世界で年間約50万人に上り、それも男性より女性の発症リスクが高い(約3倍)という研究結果を発表しています。

さらに肥満は食道がん、膵ガンや男性の大腸がん、女性の卵巣がんなど、消化器系やホルモン関連悪性腫瘍など11のガンの発生と強い関連があることが最近のイギリスの研究でも明らかにされているのです。

 要するに「肥満はがん発症の主要なリスク要因になっている」といえます。

 閉経後の乳がんなどの10%は健康的な体重を保つことで発症を防ぐことができる」とも指摘され、肥満対策の重要性が強調されているのです。