えっ!食中毒?A 身の回りには危険がイッパイ

肉の生食 高リスク

2017.5.30

 

「食中毒」は、食品衛生法により「食品、添加物、器具、容器包装に起因する中毒」とされていますが、必ずしも厳密な定義があるわけではなさそうです。

感染型の細菌性食中毒は真夏日が続くこれからが本番ということになります。

5月16日の本欄でも紹介したようなアニサキスなどの寄生虫による場合は食中毒に含めない考えもあります。食中毒は、細菌による感染型、フグや貝類の毒などのように食材に含まれる自然毒にあたるケース、また化学物質による中毒などに分類されています。

ユッケなど生食用の牛肉を提供する際に表面加熱を義務づける新基準が2011年に施行されて以降、全国で生食用牛肉を取り扱っていた飲食店のうち、この新基準を守っていたのは全体の6.1%にすぎなかったことが1年後の厚労省調査で明らかにされています。

O-157感染症多発の原因となった牛のレバ刺し(生の肝臓)提供が禁止になってこの7月で5年になり、O-157中毒は減ってはいますがユッケや鳥わさなどの生肉を食べて食中毒になる事例、とりわけ生の鶏肉でカンピロバクター腸炎になる人が後を絶たないようです。

09年に東京都が実施した調査によると、生の鶏肉を1回食べてカンピロバクターに感染する確率は5.36%で、生で食べない人に比べて77倍も感染しやすいというデータが出されています(2010222日、朝日夕刊)

焼き鳥屋で鶏の刺身を楽しんでいる人がいかに多いことか!生の肉がいかに高リスクかをキモに銘じておく必要がありそうですが、美味しいものはオイシイ、食べるのは自己責任だと言い張る人がいる限り食中毒は減らないでしょう。

潮干狩りのシーズンを迎え問題となるのは「貝毒」です (2007年5月8日、本欄参照)特にアサリやトリガイなどの二枚貝がくせ者で、貝毒はこれらの二枚貝が摂取する毒素をもった植物プランクトン(アレキサンドリウム・タマレンセ)に由来することは分かっているのですが、発生メカニズムは未解明のままなのだそうです。

マヒ性貝毒には呼吸困難まで起こす神経毒を持った貝もあり、加熱しても毒性は減らないため注意が必要です。潮干狩り場でも、採取した貝と危険性のない土産用の貝を交換して持ち帰るようにしている所も少なくないようですが、自分勝手に採取して食に供するのは危険がイッパイと思わねばなりません。

熊に襲われてケガをしたというニュースが毎日のように報道されていますが、クマやイノシシ、シカなどの野生獣肉を食材とするジビエ料理が専門店のプロから家庭の食卓へと広がってきました。野生鳥獣による農作物被害(200億円)に業を煮やした国や自治体が捕獲を奨励し、食肉として有効活用する取り組みが加速しているという背景があります(3.25、日経)

今後もジビエはますます盛んになって行くでしょうが、シカ肉はE型肝炎のウイルスを有している可能性があるため、生肉の取り扱いには特に注意が求められるなどの盲点が潜んでいます。

また、厚労省の有識者検討会は5月25日、弁当の容器などに使う原材料について、規制方法の見直しを求める報告書を取りまとめました。現行制度では特定の化学物質以外は使えますが、これを国が許可した化学物質のみ使えるという制度に改めて、被害が出ないようにする方針のようです。

食の安全を求めすぎると一体何を食べたらいいのだということになりかねず、そのうえ弁当の容器までということになると思わず食欲がなくなりそうですね。