妊婦の喫煙・受動喫煙 から 子はアトピーに

2017.9.12

 

 母親の妊娠中の喫煙や受動喫煙の影響で、早産や低体重出生児のトラブルに遭いやすく、生まれてからの受動喫煙で乳幼児突然死症候群や気管支喘息などの発症リスクが高まることなども広く知られるようになりました。

 最近の研究では、妊娠中の喫煙や受動喫煙がアトピー性皮膚炎の発症に関係しているのではないかという懸念が出されています。

 乳児健診に参加した生後7カ月以上の約1500組を対象にした愛媛大学病院小児科の調査では、喫煙か受動喫煙がある場合、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患になる割合が高くなる傾向が認められるというのです(2017..18、各紙)

妊娠28週以降は、胎児は体の中で異物を認識できるような免疫成熟期にあたり、この時期に母親を介して胎児の免疫に喫煙が影響している可能性が考えられるという、国立成育医療研究センターの解説も併せて載せられています。

 アトピー性皮膚炎の成因は十分には解明されていませんが、たばこを避けることがその予防法の一つになるとしたら、受動喫煙をいかに避けるかは大切な対処法ということになります。

 

 アトピー性皮膚炎は、皮膚の表皮バリア機能の低下とそれによって引き起こされる皮膚のアレルギーと考えられています。食物アレルギーや気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が急速に増えつつあることは紛れもない事実ですが、その背景には、遺伝的素因に加え、環境要因もその発症に深くかかわっているのは間違いないでしょう。

アトピー性皮膚炎は必ずしも食物アレルギーを基盤に起こるものだけではないでしょうが、湿疹やアトピー性皮膚炎があると、それに引き続いて起こる気管支喘息、続いて鼻アレルギーの発症というようなアレルギーマーチの経過をたどることが多いのもよく知られた事実です。

 アレルギー疾患の病態解明が進むにつれ、アトピー性皮膚炎などの湿疹がひどくなると、環境中のさまざまなアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質:抗原)が皮膚に接触し、それが皮膚を介してアレルギーを引き起こす「経皮感作」につながるという病態の重要性が認識されるようになって来ました。

 食物アレルギーに関しては、原因食物はなるべく摂取せず、乳児期には摂取を遅らせるのが好ましいとされてきたものが、最近は、原因となる食物を積極的に摂取してアレルギー感作をおさえるという、食物抗原の「除去から摂取へ」(但し強い症状が出ない場合)と対応法が変わってきている事実を見逃せません。