「座り過ぎ」は寿命を縮めるって?

2017.12.12

 

運動不足が人々の体を蝕んでいます。運動不足が糖尿病や動脈硬化などを加速させるだけではなく、糖尿病になると、がん全体では約2割、肝臓がんやすい臓がんでは2倍まで発症リスクを高めると言われています。

男性でも日ごろから体を動かす機会の多い人は、少ない男性に比べ、大腸がんにかかる率が約3割も低いことが厚労省研究班で解明されています。要するに、大腸がんの予防に運動が有効ということなのでバカには出来ません。

WHO(世界保健機関)は、15歳以上の日本人の約65%が「運動不足」と判定しており、企業によっては歩数計を配ったり「歩け歩け」運動を勧めている会社も少なくないようです。なにせ、1万歩で約14円の医療費削減効果が期待できると言いますから無視できでしょう。

スポーツ庁は職場で行える運動メニューなどを提案し生活習慣病を予防して将来的には医療費抑制につなげたい考えを持っています。

座り過ぎの生活が、健康に悪い影響を及ぼすという研究の結果が国内外で次々と報告されています。

座りがちな生活を2週間続けるだけで筋肉は退化し、内臓脂肪が付き始めるという英国の報告も見られます。座っている時間が長いと、ガンや糖尿病、心臓病などになるリスクが高くなり、週末に適当な運動をしてお茶を濁すくらいではとてもカバー出来ないようです。

1日に6時間も座っている人は、3時間未満しか座ることのない人に比べて死亡リスクが男性で17%、女性では34%も高くなることがわかっています。

男性の場合、デスクワーカーは肉体労働者より「前立腺がん」のリスクが28%も高くなることも明らかにされています。

運動が多くのガンを予防するといっても、簡単にそれを実行できる人ばかりではないでしょう。デスクワークが長くなりがちな人は、30分に1回は起立して腰を伸ばすか数分間歩き回るかを実行し、「貧乏ゆすり」は他人からは非難されるでしょうが、下肢の衰えを防ぎ、静脈血栓を予防するのに役立ちます。

窮屈な姿勢で座り続けて起こる病状の一つに「エコノミークラス症候群」という「静脈血栓栓塞症(VTE)」があります。飛行機の狭いシートに長時間座ったままでいると発症しやすいことからこの名がありますが、ビジネス席利用者でも発症することから現在は「ロングフライト症候群」に改められています。下肢の静脈にできた血栓(血の塊)が肺まで飛んで肺の動脈を詰まらせる結果、呼吸困難やショックを起こすこともある病態で、機内でも時々歩き廻ることが大切です。