インフルエンザ 流行加速

2017.12.19

 

 ワクチン不足が取り沙汰されるなか、インフルエンザ流行は加速度がつき、第48(1127日〜12月3日)の感染症発生動向の全国調査では定点あたり2.58(47週は1.47)、全国の医療機関を受診した患者数は12万人と推計されています。大阪の第49(12.4〜12.10)も1定点あたり2.7になりました。

流行株ウイルスの検出状況をみると、前半はAH3(香港型)優位、第43週あたりからAH1(pdm09)優位の展開となっています。昨シーズンは全期間AH3主体であっただけに大きな様変わりと言えそうです。

 ワクチンの効果については異論さまざまですが、流行しているタイプ(流行株)とワクチン株の抗原性が一致しない場合は約40%、一致したシーズンは約60%になると評価されています。中には約20%の有効率しかないとする説もみられ、接種が妥当かどうかについて議論の的になるところです。

 米国小児科学会の研究では、インフルエンザで死亡した小児の多くはワクチン未接種であった事実が今年4月のPediatricsという権威有る専門誌に発表されています。この研究は、2010-2014年の4シーズンにインフルエンザで死亡した生後6〜17291症例を分析した結果、インフルエンザワクチン接種者は26%で、このことからワクチンの有効性は65%と算定されています。

この成績を受けて、「生後6ヵ月以上の全ての小児に毎年ワクチンを接種するよう勧告」している米国小児科学会の現行の姿勢が指示された形になりました。

ワクチン接種で発病を防ぐのは難しくとも、有熱期間の短縮や重症化阻止には役立つとの考えもありますが、そうした意見にも否定的な立場を取る人も少なくはないようです。

しかし、月齢が低いほどインフルエンザ重症化のリスクは高くなり、しかも兄や姉がいる2歳未満の小児がインフルエンザで入院するリスクは、兄弟がいない家庭の2倍以上になるとの研究結果も見られるのです。

ワクチン接種の有無にかかわらず不運にも発症した場合には抗インフルエンザ薬のお世話になることになります。幻覚・幻聴や、ベランダからの飛び降りなど服用後の異常行動が指摘されている内服薬「タミフル」ですが、異常行動が特に多い10代の患者には07年3月から処方は原則中止の処置がとられています。全ての抗インフルエンザ薬に同様の副反応(?)が観察されるところから、インフルエンザそのものに起因する症状とも理解され、厚労省はタミフル処方解禁の検討を始めており、3年以内に結論が出される予定になっています。