健康投資が医療費節約の切り札 ?

2018.3.6

 

 4月1日には、診療報酬と介護保険の同時改定が行われることになっており、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年問題」への対応を軸に、医療費の圧縮が大きなテーマとなっています。地域包括ケアシステムの構築や医療機能の分化、連携の推進、社会的に重要な課題となっている「働き方改革」ICTを活用した遠隔医療の推進などが、具体的方向性として打ち出されています。

 社会保障費は高齢化を反映して増え続け、昨年度予算の歳出の3割に当たる324735億円にまで膨らみました。その一部である国民医療費も年間2.5%ずつ増え続けて今や年間42兆円を超えるまでに膨張、日本の年間予算が97.4兆円ですから医療費の占める割合がいかに大きいかが分かろうというものです。

 政府は高騰する医療費を抑えるために、診療報酬の各分野に切り込んで削減を図ろうとしています。このうち薬剤費については、「安定性の向上」という今回の改定の柱の一環として「薬価制度の抜本改革」を盛り込み、先発品に代わって後発品(ジェネリック)をより多用するように誘導する診療報酬上の優遇措置を講じる方策を導入してきました。同時に調剤薬局についても、門前薬局、同一敷地内薬局の調剤料などにもメスを入れるという方針が目玉となっています。

 医薬分業が目論み通りかなり進んだとはいえ、院外薬局が増えすぎてこの医療費が膨らんだために、今度は薬局の調剤基本料など診療報酬を抑える方向に舵を切ったのです。薬局の廃業や処方せん難民も出かねない改革案と言えます。

しかし医療費膨張は薬の使い過ぎといった単純なものだけではなく、高齢化による医療ニーズの増加、医療技術の進歩・高度化による高額医療が増えたこと、オポジーモや抗がん剤などの超高額薬剤の出現といったさまざまな要因がからんでいるもので、必然に近いものがあります。

 医療費抑制の本筋は誰もが病気にならないように心がけることが大切なのは言うまでもありません。運動を心がけ、喫煙は控えるなど日頃から健康に配慮する人にはポイントを与えて保険料の割引をするなど優遇措置を採ることも一法でしょう。幼児から予防接種や健康診断などを漏れなく受け、職場検診や節目健診も定期的に受けるといった健康に留意した人を評価する仕組みを取り入れることが何よりも大切です。

 こういったメリット制あるいはバウチャー制の採用とともに、病院での治療歴や健診結果など医療や保健に関するさまざまな情報を統合したデータベースを運用し、投薬や検査の重複を防ぐこと等も医療費の節約に役立つでしょう。