新型インフルエンザ報告数 再び 増加

                                              09.8.18

                                                     

新型インフルエンザの患者数は、7月24日に全数報告から集団感染の発生件数調査(クラスターサーベイランス)に切り替えられて以降、正確な把握はできなくなっていますが、5月末から漸減していた患者数は7月の第1週を底に、その後も毎週増え続け、7月第5週(7月27日〜8月2日)には、その前週(7月第4週)の1312人から一気に2655人に倍増したということです(国立感染研調べ)。

週別患者数は最大で例年同期の200倍に達し、その殆どは「新型」とみられます(8月15日、毎日新聞報)。

推計では、毎週全国で2万〜3万人の新規患者が発生し、患者総数はおよそ5万人に達したのではないかという見方も一部にあるようです。

大阪における第32週(8月3〜9日)の感染症発生動向調査情報では、第31週(7月27日〜8月2日)の464例(第30週比122%増)から7%増の496例を数えていますが、ほぼ全例が新型インフルエンザと考えられています。

 

沖縄県での一定点あたりの報告数は、7月第5週に11.79(全国平均は0.56と飛びぬけて高く、15日には、心筋梗塞治療歴を有し慢性腎不全で透析を受けていた57歳の男性が、新型インフルエンザに感染して肺炎を併発して敗血症性ショックで死亡したことが知らされました。

国内で5月に初の感染者が確認されて以来、初めての死者ということになりますが、季節性インフルエンザでも毎年1万人が国内で死亡している事実から予想はされていた事態とはいえ残念なことです。

今回の新型インフルエンザによる致死率は約0.45で、季節性インフルエンザの0.1%未満よりも高いと考えられていますが、初めての死者が出たとはいえ人口比でみると他の国々よりも明らかに少なく、これは迅速診断による早期診断と、タミフルやリレンザの積極的使用による結果ではないかとWHOの関係者も推定しているようです。

循環器疾患や糖尿病などの持病のある人(米国では「肥満」もリスクファクターの一つとみなされている)、妊婦や乳幼児はハイリスクと考えられており、発熱や関節痛などの体調不良を訴えた場合には、早期に診断・治療を受けて重症化を防ぐ手立てが求められるところでしょう。

8月11日には茨城県の4歳男児が「急性脳症」を発症(国内で5例目)、さらに13日には、福島県に帰省中の小学生男児が新型インフルエンザに肺炎を合併して重症化し人工呼吸器による治療を受けていることが判明いています。

 

クラスターサーベイランスにみる集団感染の発生件数も、8月3日〜9日は計554件に上り、累計1066件、総患者数1657人となりました。

報告数0は富山県、福井県、大分県のみで、流行は全国に拡大、このうち目立つのは沖縄県84(累計発生件数は114件。トップは大阪府の153件)、次いで東京都49件、大阪府42件、埼玉県31件、神奈川県30件、茨城県29件と、大都市圏での多発傾向を認めます。

暑い沖縄県での流行に違和感を覚える人もあるかもしれませんが、数年前にも季節外れの大流行を経験したこともあり、インフルエンザは決して気温の低い環境でのみ流行する感染症とも言えないことが理解できます。

このように新型インフルエンザは、季節を問わず夏や秋にも流行することは過去のパンデミックが物語っており、この欄でも既に何度となくお知らせした通りです。