睡眠は十分ですか?


 最近では、宵っ張りでなかなか寝てくれない赤ちゃんに手を焼くお母さん方が少なくないようです。

 夜10時に寝る3歳児の割合は、25年ほど前には約2割に過ぎなかったのに、2000年には5割に達し、親の生活リズムに引きずられるかっこうで、幼児の遅寝遅起きが常態化している様子がうかがえます。

 子どもの睡眠が親の睡眠習慣と密接な関係にあり、特に母親が子どもの睡眠を左右していることは、国立精神・神経センターの調査でも明らかにされています。

 日本人の生活が夜型になるのにつれて、家族の生活リズムも乱れがちとなり、早目に寝かしつける習慣が徐々に忘れられてきたのも一因となっているのでしょう。

 睡眠に問題がある幼児は、落ち着きがなく多動の傾向が目立ち、笑顔が消えたり、朝食を食べようとしないなど、遅寝が昼間の行動に悪影響を及ぼしていることが分かります。

小中学生や高校生の睡眠不足はもっと深刻で、不登校、突然キレたり友達に乱暴するといった問題行動の原因となっている例も少なくありません。

人間も含めて地球上の生物は、1日24時間の日照周期にあわせたリズム(サーカディアンリズム:概日リズム)をもっています。

この生体リズムをコントロールする「体内時計」は、脳の奥深くにある「視交叉上核」と呼ばれる神経細胞群にあると考えられています。

人間の体内時計はほぼ25時間の周期で動いており、自然界の昼夜のリズムとのズレを日光や社会・生活リズムにあわせて修正して同調させているのです。

体内時計は睡眠や体温、ホルモン分泌などの生体リズムを作るだけでなく、自律神経を調節するという大切な機能をも司っているので、遅寝遅起きは自立神経の調節を狂わせ、突然キレるなど、子どもの心の問題を引き起こすと考えられています。

さらに、大阪府教委が3年ほど前に行った調査では、放課後や土日の過ごし方などと共に、食事や睡眠といった家庭環境が、「学力格差」に強い影響をもっていることが証明されています。

親の都合で夜遅くまで外に連れ出したり、24時間営業のコンビ二やゲームセンターに出入りするなど、「生活24時間化」が睡眠不足を招いている現状も無視できないでしょう。

日本人の半数は「不眠症」の疑いがあるという全国調査の結果もあるくらいですから、親の生活パターンを子どもに反映させないように、しっかりした睡眠習慣をつけるしつけを心がけていただきたいと思います。

昼寝で集中力アップ(2006.5.2追記)

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