柿が赤くなれば・・・・・

 「柿が色づけば医者が青くなる」という昔からの名言()を耳にすると、思わず笑いがこみ上げてきます。 

 柿はビタミンCをはじめ滋養に富んだ果物で、柿が豊富に出回るようになると風邪も余りはやらなくなるというのです。確かに、どこの小児科もひまになるようですから、まんざら根拠のない話でもありませんが、柿好きの子どもばかりじゃないでしょうから、天高く馬肥ゆる秋、おそらく時候の加減なのでしょう。

 「柿」は「かき」、または「し」と読みますが、「木=きへん」に「市=し又はいち」。これとよく似た字で「柿=こけら」があります。似てはいますが、別々の字なのです。

前者は「亠=かんむり」の下に「巾=はばへん」で画数5、「し」または「いち」。後者は「木=きへん」に「市:ふつ=ひざかけの意で画数は4」で読みは「はい」。「こけら」は「材木の削りカス」を意味し、「こけら落とし」のように使います。

国語の説法をしようというのではありません。

小学生の英語必修化が叫ばれる一方、小中学生に限らず大学生まで国語力の低下が問題にされ、成人が使う慣用表現や敬語の乱れが目立つなど、日本語のあり方が問われる中、英語教育の充実よりもしっかりした国語を習得する方が先ではないかという文部科学大臣の一声に世論は揺れたのです。

柿と柿の違いまで正答せよというのは高望みでしょうが、自国語である日本語を正確に身につける努力も確かに必要なことのように思われます。

敬語の用い方などについては、文科省が文化審議会に諮問して具体的な指針をまとめようとしていますが、国語のありようについては、文科省だけではなく文化庁も、調査活動を通じて慣用表現の是正を図ろうとしているようです。

国語教育の徹底も大切な課題には違いはないのですが、グローバル化した現代において英語教育の充実を推進することも重要なことで、両者を同時並行で推し進めることは矛盾もしないし、可能な作業だと思われるのですが。

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