皮膚のカサカサ ブツブツ

 

秋が深まるにつれ、カサカサと粉をふいたような皮膚で痒みを訴える子どもが目立つようになります。

 寒くなると空気も、肌も乾燥する上、エアコンによる乾燥した室内環境の影響も加わってカサカサした感じが強くなるのでしょう。

アトピー性皮膚炎も、湿度が下がるこの時期に悪化することが少なくなく、アトピー性ドライスキンと呼ばれています。

 皮膚の最外層は、ラップのような厚さ0.02_の角質層で覆われ、水分の蒸発を防いだり、外的刺激から皮膚を守ったりする「バリア」機能を持っています。

角質層では、角質細胞が整然と並び、そのすき間にはセラミド(角質細胞間脂質)や、天然保湿因子(NMF)というアミノ酸が埋めて「保湿」を促進するだけではなく、皮脂腺から分泌される皮脂と汗の混合物である皮脂膜がクリーム状に皮膚の表面をカバーして体内からの水分蒸発を防いでくれているのです。

その角質層の機能が損なわれると乾燥肌が目立つようになり、風呂や布団に入って温まったりすると痒みが強くなります。

 赤ちゃんの肌の角質層には、もともと潤いを保つセラミドが多く、皮脂腺も細くて脂分が少ないので透き通るような美肌になっています。

 こんな赤ちゃんでも、冬は汗や皮脂が減って皮膚が乾燥気味となり乾燥型の湿疹や皮脂欠乏性の湿疹が広がって、痒みで寝られないことも少なくありません。

皮膚を乾燥から守るスキンケアのポイントは、「清潔、保湿、保護」に尽きますが、

@     加湿器などで湿度を保ち、暖房は使いすぎないようにする。

A     洗顔は弱酸性で脱脂力の弱いものを選び、よく泡立ててやさしく洗う。

B     入浴は熱すぎる湯を避け、タオルやナイロンブラシでこすり過ぎないようにする。

   できたら手で洗うようにし、冬なら毎日洗うのは顔、手、陰部などの汚れやすい部位だけに。

42℃以上の熱い風呂や長湯は保湿因子を溶け出させます。

C     ワセリン、尿素製剤、ヘパリン類似物質製剤などの保湿剤を、特に入浴後には念入りに塗る。ファンデーションを併用するのも一法。

D     直接肌に触れる下着やパジャマにはやわらかい木綿製品を。できたら色物は避ける。

柔軟剤や糊づけを避け、新しい衣類は一度洗濯してから着用する。

チクチクするものや、きめの粗い裏地の衣服は直接肌に触れないようにする。

E     掃除機は1uに20秒以上くらいにゆっくりかけ、ふとんも週1回は干して、取り入れる際には掃除機をかける。

掻き破ってバリア機能が損なわれた皮膚からは、経皮的にダニの侵入感作が起こる場合があることが証明されており、二次的に、喘息を発症する可能性も否定できません。

かゆみを抑えるにはどうしたらいいのでしょう?

 かゆみがひどいと、子どもは寝られないことがたびたびです。

昼間でも痒いとボリボリかき破り、落ち着いて物事に集中することができず、情緒不安定になってしまいます。

 痒みを軽くするには、まず掻かないことです。とはいえ、言うはやすく、行うは・・・。

子どもは寝ているときでも無意識に肌をかきむしります。理屈の問題ではありませんから、掻いても被害が最小になるように、爪はいつでも短めに切っておくことが大切です。

 掻き破ることで引き起こされる新たな痒み、この悪循環をいかにして断ち切るか、これがポイントです。

 乾燥した肌は、その表面を覆うセラミドや皮脂膜が減少しているために外部からの刺激に敏感に反応する状態になっています。さらに、掻くことによって皮膚の表面に浅いキズを作ってしまうと、皮膚の表面近くまで伸びてきている末梢神経の終末端が露出し、さらには刺激に反応してマスト細胞からヒスタミンなどが放出される影響で、余計に刺激に敏感に、痒みも強くなってしまいます。

 皮膚の乾燥を防ぐことの重要性は先に述べた通りです。適切なスキンケアと保湿剤などによる肌のお手入れが大切なことは言うまでもありません。

 ドラッグストアの店頭には、保湿剤の新製品が並んでいます。自分の肌にあう製剤を見つけることも大切な作業です。

 お風呂に入った後は痒みが強くなりますから、ぬるま湯でしぼったタオルで肌のほてりを冷まし、チクチクする裏地の寝間着は使用しないことです。

 山イモやほうれんそうなどは、ヒスタミンを多く含むため避けたほうが賢明でしょう。また、インスタントラーメンやカレーなど香辛料のきいた食べ物も痒みを増進しますから、痒みの強い時には控えたほうが良いかもしれません。


戻る