暑い秋のダニ対策

秋の深まりとともに、喘息を起こして来院される患者さんが増えてくるのは例年のならいですが、11月とは思えぬポカポカ陽気は、喘息児にとって恵みの気候なのかもしれません。

小児の喘息は、気管支粘膜の慢性的なアレルギー性炎症をもとに発症するのが一般的で、原因の大半は家塵に含まれる「ダニ」であることが多いとみられています。

本人にアレルギー体質があるかどうかということも大きな発症因子ですが、直接の原因(7080%か)となるダニやハウスダスト、カビ、犬・猫などのペット類、花粉など「アレルゲン」と呼ばれる原因物質のかかわり、タバコの煙などの刺激物質をはじめとする環境因子、自律神経の働き、感染、精神的ストレスなど多様な要素が複合的に絡み合って、喘息発作は誘発されると考えられています。

また、喘息発作は、天気が崩れて雨が降るような時とか、台風や前線が近づいている時などにも起こりやすいという事実が経験的に知られており、気象医学の対象の一つにもなっています。

主な犯人であるダニですが、ダニの量と喘息発作の間には相関があることや、掃除機などでダニを除去することによって発作を減らすことができることも、学問的に証明されています。

注目すべきは、生きているダニだけが問題なのではなく、フンやダニの死骸(しがい)もアレルギーの原因になることです。

ダニは6〜8月に繁殖、8〜9月に産卵、9〜10月にフンと死骸が飛散してアレルゲンの量が増えるといわれています。

暖かい秋というのは喘息児にとって好都合なのですが、その一方で残暑が長引いた今年は、ダニの産卵期が11月まで遷延してアレルゲンが豊富になり、アレルギーの時期も長引く可能性があるのではないかというのです。(11月2日、毎日新聞)

地球温暖化のせいで、そのうちに正月に紅葉期を迎えることになるのではないかという予測もみられます。

NASA(米航空宇宙局)の発表では、2005年の地球の表面平均温度が観測史上最高を記録した事実が確認されています。

地球の平均気温は過去100年間に約0.8℃上昇しており、気象庁が昨年10月に発表した「異常気象レポート」によれば、2100年ごろの日本では、年平均気温が現在に比べ、2−4℃上がると予測されています。大阪では、現在16.5℃の年平均気温が、およそ2.4℃程度上昇し、屋久島並みになるのではないかというのです。

また、海面水温も100年間で約0.5℃温かくなり、水位も年1−2_の割合で上昇していることが気象庁の「海の総合診断表」で明らかにされており、これは「地球温暖化の影響が現れた結果」とされています。

別の報告によると、最悪の場合2100年には、気温はさらに5.8℃も上昇し、海面は今より88aも高くなるという予測さえあるのです。

さらに、国立環境研究所などの研究では、地球温暖化がこのまま進むと、今世紀末には最高気温が30℃以上となる真夏日が年間約120も発生し、降水量も2割近く増えて高温多雨になるという予測が出されています。

その結果、熱帯地方に見られる感染症や農作物被害が広がる恐れもあることが懸念されていますが、コメやトウモロコシは、気温が1℃上がると生産量が10%下がることが指摘されています。

高温多湿の影響によるダニやカビの繁殖動向は喘息にも大いに関係するでしょう。

ダニは体長1_以下の小さな昆虫で、人のフケやアカをえさにして成長し、25℃くらいの室温と75%前後の湿度を好んで最もよく繁殖します。

死骸は0.3_、フンは乾燥して壊れると10?以下になるため、細かいほど気管支の奥まで吸い込まれやすく、アレルギーも起こしやすいのです。

ダニの発生を防ぎ、減らす工夫としては、

@     掃除機をかけてホコリが舞い上がる前に、ぞうきん等で ふき掃除」を

A     掃除は、紙パック式の電気掃除機で、1uに20秒以上かけてゆっくりと。リビングなど、人の集まる場所を重点的に

B     掃除機は、人の動きが多くなる前の 「朝起きてすぐ」か「帰宅後すぐ」

C     晴れた日には、毎日でもフトン干しを。取り入れる際はたたかず掃除機を

D     ダニは布類を好むので、フトンのみならずソファの掃除も気をつけて

E     ダニや糞は水溶性なので、シーツやカバーの水洗いを忘れずに

F     換気が悪いと湿度も高いままになりやすく、ダニの繁殖を助けることになります


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