アスベスト(石綿)と健康被害


 アスベスト(石綿)による健康被害の広がりが社会問題化しています。

アスベストとはギリシャ語で「消し尽せない」という意味で、耐火・耐久素材として建築物やブレーキの摩擦材などに広く使用されている身近な存在だけに不安は尽きません。

尼崎市の工場を中心に、元従業員とその家族、周辺住民のうち約80人が悪性中皮腫や肺がんで死亡していた事実が6月末に表面化してからは、単なる労働環境の問題として片付けられるような性格のものではなくなっています。

アスベストによる健康被害は、石綿の細かい繊維を肺の奥まで繰り返し吸い込んでから2050年後に発症する悪性中皮腫がもっぱら問題とされています。中皮腫とは肺を包む胸膜や消化器を囲む腹膜といった膜組織にできるガンのことで、やっかいなことに、肺ガンなどとは異なり吸い込んだ石綿量が比較的少なくても発症することです。

「ベビーパウダーにもアスベストが入っている」という話が一部の雑誌やテレビで報じられ、パニックに陥ったお母さんもあったようです。これは1987年に5社5製品からアスベストが検出され、商品の回収や販売中止がなされたという事件を誤解した報道です。原料に用いるタルク(滑石)に不純物として少量のアスベストが混入していたというもので、現在市販されている製品にはその恐れはありませんから安心してください。

1975年には石綿吹き付け工事が、200410月には一般的使用が、原則全面禁止となりました。しかし古い建物や、現在販売されている自転車でもブレーキ部品の一部に、また駅、学校の体育館や給食調理用の釜などにも石綿が使用されている事実がわかっており、国公立の小中高校約3万8千校を対象とした石綿使用調査が計画されています。

石綿代替品の開発や建物解体時の飛散予防など、迅速な対策の強化が望まれる所です。


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