何を信じたらいいのでしょう? 

手のひらを返したように!− 大豆イソフラボンの功罪

 大豆のたんぱく質や、大豆に含まれるイソフラボンは、悪玉コレステロールを減らし、心臓病を予防すると考えられており、これは今や常識となった感さえあります。

イソフラボンには、骨粗しょう症や乳がんの予防効果もあるとして、これを含んだ多くのサプリメントが発売されています。

イソフラボンは豆類などに含まれる苦味成分で、「ポリフェノール化合物」の一つです。

ところが、「米国心臓協会(AHA)」という組織が、このような通説をひっくり返すような見解を発表したために、話がややこしくなってきました。

大豆を多く摂取しても、悪玉コレステロール(LDL)は3%しか減少せず、善玉コレステロール(HDL)や血圧には影響がみられないというのです。

さらに1月31日には、わが国の食品安全委員会の専門委員会が、大豆イソフラボンの摂りすぎはホルモンバランスを崩す恐れがあるとして、「過剰摂取に注意」を促す報告書をまとめて発表しています。

特に、妊婦や乳幼児に対しては「追加摂取は推奨できない」とし、成人の安全な摂取量の上限を1日70〜75_グラムとして、サプリメントなどからの過剰な摂取に注意を促しました。

これに対して、(財)日本健康・栄養食品協会は、食品安全委員会の報告書の根拠に疑問があるとして上記の見解に反論しています。

大豆の功罪はともかくとして、大豆は、みそ、しょうゆ、豆腐をはじめ、植物油などの原材料として日本人の食卓に欠かすことができない食品の一つであるだけに話は簡単ではありません。

食品メーカー各社は「機能性食品」向けの素材の増産に乗り出しており、疲労回復に効果があるとされる「大豆ペプチド」もその一つです。

従来は推奨されていた食品やサプリメントの効果に疑問符がついて、評価を下げるという例は大豆だけではありません。

「ガンに効果がある」ともてはやされてきた「アガリクス」(カワリハラタケというキノコの一種)を含む健康食品の一つに発がんを促進する作用が認められたとして、厚生労働省は2月13日にこの製品の販売中止と自主回収を要請しています。

(厚生労働省HP「アガリクスを含む製品の安全性に関するQ&A 参照)

また、アガリクスに含まれる免疫増強物質「レンチナン」には、心臓を弱める作用がある可能性に関する内容が02年の日本癌学会で発表されています。

われわれが口にする食品はその栄養や嗜好の問題だけではなく、安全性が普遍的なものかどうか、十分な科学的裏づけを得られたものかどうかについても配慮しておく必要があるでしょう。

更には国民に安定的に供給されるかどうかも重要で、長期にわたる確保が可能かどうかといった食糧安全保障の立場に立って議論する必要も求められます。

今やわが国の食品自給率は40%にすぎません(昭和40年代は70%以上)。

かつては大豆の輸出国であった中国ですら、国内需要の増大から今やわが国の約4倍もの量を輸入する国となっているのです。

大豆に限らず、魚をはじめ多くの食品の輸入に関して、中国と日本は競合する立場を徐々に強くしてきています。



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